丘陵地の牧場から食卓へ
長与町は長崎市の北東、大村湾を臨む丘陵地の町だ。琴ノ尾岳を中心に300~400メートル級の山々が連なり、その斜面にはミカン畑が段々と広がっている。古くから農業の町として知られ、いまも町の周辺部には水田やミカン畑が比較的多く残っている。
しかし、この町の返礼品の顔は、意外にも牛肉だ。A5長崎和牛のヒレステーキは、内閣総理大臣賞を受賞した品。丘陵地の傾斜を活かした牧場環境が、この肉を育てている。届いた時点で既に200グラム単位で小分けされているから、冷凍庫に並べやすく、食べたい時に一枚ずつ解凍できる。ステーキとして焼くなら、常温に戻してから強火でさっと両面を焼く。中身はレアに仕上げるのが、この肉の甘みを引き出す食べ方だ。

季節の食卓に、肉の仕事
長与町の牛肉は、町の産業史の中では新しい顔かもしれない。だが、丘陵地という地形は、牧場にも農地にも適した環境だ。傾斜地での飼育は、牛の足腰を鍛え、肉質に深みをもたらす。

ローストビーフの詰め合わせも、同じ町の事業者による品。肩ロースを使い、ソースが付属している。冷蔵で届いたら、そのまま薄く切ってサラダに乗せたり、温かいご飯の上に乗せたり、食べ方の幅が広い。小分けされているから、一度に全部を開ける必要がない。晩酌の肴に、弁当のおかずに、季節を問わず台所に置いておける肉だ。

長与町は、長崎市のベッドタウンとして都市化が進んだ町である。だからこそ、丘陵地に残された牧場の営みは、町の食卓を支える現在進行形の産業として機能している。ミカンの季節が来ても、牛肉は年中、この町から届く。