港町の朝、シラスが届く理由
奈半利町は高知県の東端、土佐湾に面した小さな漁港の町だ。奈半利川の河口に堀込式の湾があり、離岸堤にはサンゴが群生している。そういう海の町では、漁師たちが夜明け前に出て、朝のうちに水揚げする。シラスもそのひとつだ。
釜揚げシラスの小分けパックは、その朝獲れの鮮度を、家の食卓まで運ぶ返礼品だ。80グラムずつ、10パック。小分けというのは、実は台所の現実に寄り添っている。シラスは日持ちがしない。一度開けたら、その日のうちに食べきるのが当たり前。家族の人数や食べるペースに合わせて、毎日ひとパック、ご飯にかけたり、卵焼きに混ぜたり、冷や奴にのせたり。そういう日々の使い方を想定した量なのだ。

港町では、シラスは季節の手当てではなく、年間を通じた日常の食べ物だ。塩辛さ、小さな身の甘さ、釜揚げの温かみ。毎日食べても飽きない理由は、その鮮度にある。奈半利の漁港から届くシラスは、水揚げから加工、冷凍までの時間が短い。それが、家の食卓に着地した時の味わいの違いになる。
本鮪の食べ方、三つの部位で学ぶ
同じ港町の返礼品に、本鮪の大トロ、中トロ、赤身の食べ比べセットがある。寄付額は高いが、これは『鮪を知る』ための返礼品だと考えるといい。

大トロ180グラム、中トロ200グラム、赤身200グラム。三つの部位が、それぞれ異なる脂の乗り方、食感、後味を持っている。冷凍で届くから、解凍のタイミングで食べ方を変えられる。刺身で食べるなら、赤身から始めて、中トロ、大トロへと進む。脂が増すにつれて、口の中の感覚が変わる。海鮮丼にするなら、三つを混ぜて、一杯の丼の中に層を作る。漬け丼にするなら、醤油と砂糖の甘辛さが、大トロの脂をどう引き立てるか、赤身の淡白さをどう補うか、その違いが見える。

奈半利の漁港は、加領郷漁港という第1種漁港だ。小さな町だからこそ、漁師と魚の距離が近い。本鮪が水揚げされる季節、その時期の鮮度と脂の乗り方が、この返礼品に反映されている。