海と山が隣り合う町の牛肉
美波町は太平洋に面したリアス式海岸の町だ。日和佐川や赤松川が山から海へ流れ込み、漁港と耕地が共存する地形。ウミガメが産卵に訪れる浜辺、イセエビやアワビを獲る漁師たちの営みがある一方で、町の西部には八郎山や胴切山といった山々が連なっている。この海と山の距離の近さが、美波町の食卓の特徴だ。
阿波牛の焼肉用は、そうした地形の中で育った黒毛和牛。タレモミで下味がついた状態で届くから、届いたその日に火にかけられる。焼肉のタレが肉に馴染んでいるので、調理の手間がない。夏の夜、家族で囲む食卓を想像してみてほしい。冷えたビールを片手に、焼き網の上で肉が音を立てる。山と海に囲まれた町の、素朴で実直な食べ方だ。

米と肉、山の仕事
美波町の食卓にもう一つ欠かせないのが米だ。赤松地区の新米は、秋の収穫直後に届く。赤松は「美しい日本のむら景観百選」に選ばれた地区で、吹筒花火でも知られている。そこで作られた米は、地元では「大田楽奉納米」と呼ばれ、季節の手当てとして家に迎え入れられてきた。

焼肉とご飯。シンプルだが、この組み合わせが美波町の食卓の基本だ。海の幸も豊かだが、肉と米という山の仕事の産物が、この町の暮らしを支えている。寄付して返礼品が届いたとき、あなたの食卓は一瞬、美波町の台所になる。
