雪国の米は、冬の手当てから始まる
北広島町の冬を知らずに、この町の米は語れない。中国山地の北西部、芸北地区では毎年根雪になり、真冬には2メートルを超える積雪がある。西日本最寒の地とも言われ、1977年には-28度という低温が観測されている。こうした厳しい気候の中で育つ米は、単なる「雪国の米」ではなく、その土地の冬そのものを食べることになる。
豊穣神楽米は、こうした風土の中で丁寧に作られたコシヒカリだ。雪深い地域だからこそ、春の融雪水が豊かで、夏の昼夜の寒暖差が米の甘みを引き出す。秋の収穫後、冬の冷たい空気の中で保管される米は、その香りと粘りが引き締まる。

家に届いた時、袋を開けると、その米粒の透明感に気づく。炊く時の水加減は、いつもより少し少なめに。沸騰までの時間が短く、蒸らしの間に部屋に広がる香りは、雪国特有の清涼感を持っている。朝食の茶碗に盛った時、粒がしっかり立っている。噛むと、甘さが後からゆっくり広がる。これは、冬の厳しさを耐えた米だからこその味わいだ。
季節の手当てとしての定期便
定期便で6回、毎月5kgが届く選択肢もある。冬から春へ、春から夏へ、季節が移ろう中で、同じ町の米を食べ続けることで、その土地の時間が家の食卓に着地する。新米の季節、古米の季節、保管の工夫、そうした農家の手仕事が、毎月の配送の中に詰まっている。

北広島町は、太田川と江の川の源流域にあたる。その水が、米を育てる。中国自動車道で広島市からも近く、アクセスは悪くないが、気候は別世界だ。この町に寄付することは、そうした厳しい風土の中で米を作り続ける農家を支えることでもある。