山の斜面で、ぶどうを植える決断
雲南市は島根県東部、松江と出雲の南に位置する。北は出雲平野に続き、南は中国山地へ至る。標高差が大きい土地だ。毛無山を頂点に、南北で気温が2℃も違う。冬は南部の山間で雪が積もる。
私がこの町を見ると、まず思うのは「川の町」だ。斐伊川本流と赤川、三刀屋川が合流し、平野部を潤す。その川沿いの段丘や山の斜面に、ぶどう園がある。奥出雲葡萄園は、そうした土地を選んで、ぶどうを植えた。
山の斜面でぶどうを育てることは、平地での栽培とは全く違う。水はけ、日当たり、風通し。標高差のある雲南だからこそ、昼夜の気温差も大きく、ぶどうの糖度が上がる。醸造所の人たちは、その風土を読み、毎年の天候に合わせて、房を間引き、収穫の時期を決める。手間と時間の積み重ねだ。
奥出雲葡萄園の赤ワイン2本は、そうした手仕事の結果が瓶に詰まっている。地元産のぶどうを、小さな醸造所で丁寧に仕込む。大量生産ではなく、毎年の出来を見守りながら、樽で寝かせる。

食卓に、季節の手当てを
赤ワインは、秋から冬の食卓に自然に着地する。冷え込む夜、煮込み料理の横に置く。肉を焼いた時の香りと重なる。あるいは、チーズを少し用意して、ゆっくり飲む。ぶどう園の人たちが春から秋まで手をかけたぶどうが、今、あなたの晩酌になる。その時間の連続を感じながら飲むことが、この返礼品の本質だと私は思う。
同じ奥出雲葡萄園から、白ワイン3本も届く。赤とは違う季節、違う食べ方で、同じ土地のぶどうの表情を知ることができる。

雲南市の返礼品には、たたら焔米もある。特A評価の米だ。斐伊川流域は、かつてたたら製鉄の中心地だった。その歴史と、今の農業が重なる土地で育つ米。赤ワインと一緒に食卓に来たとき、米とぶどう、両方が雲南の風土を語る。
サステナブル和牛のステーキも、この町の生業の一つだ。山と平野が共存する地形が、畜産と農業の両立を可能にしている。
小さな町だからこそ、一つ一つの返礼品が、その背後にいる人と時間を見せてくれる。ぶどう園の手仕事、米農家の季節、畜産農家の飼育。それらが、あなたの家の食卓に届く。