水の郷が育てる米の味わい
上郡町の中央を南北に流れる千種川は、全国名水百選に選ばれた清流だ。町全体が「水の郷」に指定されているのは、この川の存在があってこそ。山地や丘陵地が大半を占める地形の中で、千種川の流域に広がる水田は、この町の食卓を支える基盤になっている。
高田米のコシヒカリは、そうした水と土地の恵みを受けた米だ。高田地区は町内でも水利に恵まれた場所で、古代には山陽道沿いの駅家が置かれるほど、交通と物流の要衝だった。その歴史の中で、人々は何度も何度も、この土地で米を作り続けてきた。現在の作り手たちも、その積み重ねの上に立っている。

届いた米を炊く時、水加減は少し控えめに。清流の水で育った米は、吸水が早く、粒がしっかりしている。炊き上がりは、粒立ちが良く、甘みが引き立つ。朝食の一杯目は、何もかけずに食べるのが作り手への礼儀だと思う。白いご飯だけで、季節の野菜の味が引き立つ。秋口には、新米の香りが部屋に満ちる。冬は、おかずの塩辛さを受け止める力強さが頼もしい。
台所に届く、町の風土
ひょうご安心ブランドの認証を受けた米は、農薬や肥料の管理が透明だ。だからこそ、子どもにも安心して食べさせられる。5キロという量は、一人暮らしなら1ヶ月強、家族なら2週間から3週間。季節が変わる中で、新しい米に切り替わるタイミングが自然と訪れる。そのリズムが、食卓に季節感をもたらす。
上郡町は、兵庫県の西端に位置し、岡山県との県境に近い。古くから、播磨と備前の文化が交わる場所だった。赤松円心が白旗城を築き、室町幕府の成立に貢献した歴史も、この町の底力を物語っている。現在も、播磨科学公園都市として新しい産業が根付きつつある一方で、千種川の流域では、変わらぬ営みが続いている。
米を食べることは、その町の水と土、そして作り手の手を、自分の体に取り込むことだ。高田米は、そうした関係性を最も素直に表現する返礼品だと思う。