銀の馬車道が通った町の、肉の話
朝来市は、かつて日本の財源を支えた生野銀山の町だ。平安時代の開坑から江戸時代まで、織田、豊臣、徳川といった権力者たちが直轄地とした鉱山。その繁栄を支えた馬車道は、今も「銀の馬車道」として日本遺産に認定されている。
そうした歴史の重みが、この町の食卓にも刻まれている。朝来市は兵庫県の北中部、中国山地に属する山間部だ。寒暖の差が大きく、豪雪地帯に指定されるこの環境が、良質な畜産を育んできた。
神戸牛の切り落としは、そうした土地の恵みの象徴だ。バラ、もも、かたといった部位が混在する切り落としは、焼肉にも煮込みにも使える。届いた時点で既に小分けされているから、冷凍庫に入れておけば、平日の夜の一品に、週末の家族の食卓に、無理なく組み込める。脂の乗った部位と赤身が混在することで、一皿の中に肉の表情が生まれる。そういう実用性こそが、返礼品の本質だと私は考えている。

米と酒—山間部の冬を支える保存食
朝来市の冬は厳しい。日本海側気候と内陸性気候が重なり、豪雪地帯に指定されている。そうした環境では、秋の収穫をいかに冬まで持たせるかが、台所の知恵だった。
朝来市産のコシヒカリは、令和8年産の先行予約だ。白米で届き、容量と回数が選べる。定期便を選べば、冬の間、新しい米が定期的に家に届く仕組みになっている。山間部の米は、昼夜の寒暖差が大きいからこそ、粒が引き締まる。そうした土地の特性が、食べた時の歯ごたえに現れる。

米があれば、酒がある。朝来市の地酒は、この町の水と米で仕込まれてきた。竹泉の純米山田錦は、ヴィンテージ物だ。山田錦という酒造好適米を使い、時間をかけて熟成させた一本。晩酌の時間に、冷や酒で、あるいは燗をつけて。米の季節が巡る中で、酒もまた季節を重ねていく。そういう時間の積み重ねが、山間部の台所には自然に組み込まれている。
朝来市への寄付は、銀山の歴史を背負った土地の、今の食べ方を家に迎え入れることだ。