姫川が刻む谷間で、米が育つ
長野県の北西端。白馬連峰と雨飾山に挟まれた細い谷間に、小谷村はある。中央を姫川が流れ、その両岸は急峻な山肌だ。全面積の88%が森林という土地で、耕地はわずか3%弱。それでも、この谷間で米は育つ。
小谷村の百姓七人衆のあきたこまちは、そうした限られた平地で丁寧に作られた白米だ。令和7年度産。山に囲まれた村だからこそ、昼夜の寒暖差が大きく、米の甘みが引き出される。冬は特別豪雪地帯に指定される厳しさも、春から秋にかけては、清冽な水と適度な湿度をもたらす。届いた米を炊けば、その土地の季節が一杯に映る。白い湯気の中に、山の空気が混じっているような、そんな食べ心地だ。

温泉宿で、山仕事の疲れを流す
この村には、いくつもの温泉がある。姫川温泉、小谷温泉、下里瀬温泉、来馬温泉、奉納温泉、若栗温泉。山と川に挟まれた地形が、地熱をもたらしたのだろう。
姫川温泉のホテル国富翠泉閣は、新潟と長野の県境に立つ一軒宿だ。10,000円分の宿泊券で、その湯に浸かることができる。冬の豪雪、春の雪解け、秋の紅葉。季節ごとに表情を変える山々を眺めながら、温泉に身を沈める。山間の暮らしの中で、こうした湯は、単なる入浴施設ではなく、生活の一部だ。

同じく標高900メートルの雨飾荘も、山深い場所にたたずむ一軒宿。こちらも10,000円分の宿泊券で泊まることができる。静かな山間で、夜明けの鳥の声を聞きながら目覚める。そうした時間が、この村の返礼品には詰まっている。
米と湯。山に囲まれた小さな村が、寄付者に届けるのは、そうした素朴で、しかし深い営みの痕跡だ。