衣浦湾の低地に、海の季節がやってくる
高浜町は愛知県の三河地方、衣浦湾の東岸に位置する小さな町だ。標高2メートル程の沖積層の低地が広がり、稗田川や高浜川が流れ込む。江戸時代から瓦の産地として知られ、三州瓦の中心地として今も窯業が息づいている。だが私がこの町を訪れるたびに目に入るのは、むしろ港だ。衣浦港は重要港湾として機能し、湾に面した臨海地区には工業が発達している。その一方で、漁業も静かに続いている。
冬から春にかけて、衣浦湾で獲れる真鯛は身が締まり、甘みが増す季節だ。この町の返礼品に 鯛しゃぶ食べ比べセット があるのは、決して偶然ではない。プロトン凍結という急速冷凍技術で、漁港から食卓への時間を最小化した鯛が届く。2~3人前という量は、家族で囲む食卓を想定している。白い身が湯に落ちた瞬間、透き通る。ポン酢に薬味を用意して、一枚ずつ箸でつまむ。この食べ方は、鯛という魚の繊細さを最も引き出す。冷凍であっても、漁港の鮮度がそのまま家に届く感覚は、衣浦湾という地理がもたらす恩恵だ。

地元の水と麦芽が出会う、地ビールの時間
高浜町には アオバルクラフトの地ビール という返礼品もある。葡萄ドライホップという珍しい仕立てで、フルーティーな香りが特徴だ。地ビールは、その土地の水と、醸造者の手が出会う場所である。小さな町だからこそ、こうした職人的な製造が可能になる。夏の夜、冷えたグラスに注いで、鯛しゃぶの後の一杯にしてもいい。あるいは、単独で、その香りと苦みを味わう時間を作ってもいい。

海の幸を選ぶ、もう一つの道
簡単&お手軽4品セット は、干物や灰干し、桜干しといった加工魚の詰め合わせだ。これらは、漁港の町が長年培ってきた保存と味わいの技術を体現している。朝食の一品として、あるいは酒の肴として、日々の食卓に着地する。鯛しゃぶのような特別な食べ方ではなく、日常の中で海を感じる方法だ。
高浜町への寄付は、瓦の町としての歴史を支えるだけでなく、衣浦湾という地理が育てた海の幸を、家の食卓に招くことでもある。