台地の水が育てる、新しい米の顔
坂東市は利根川の北岸、猿島台地の上にある。東京から40キロ圏内とは思えないほど、田畑と林野が交互に広がる地形だ。この起伏のある台地こそが、坂東の農業を形作ってきた。レタスやネギといった首都圏向けの野菜が全国トップクラスの生産量を誇るのも、この地の水はけと土壌があってこそ。そして米も、同じ風土の産物である。
ハイブリッドとうごう3号は、坂東の水田で育つ新しい品種だ。令和7年産の新米として届く。粘りが特徴とされるこの米は、毎日の食卓に着地する時、炊きたての湯気とともに、台地の土の厚みを感じさせる。冷めても硬くなりにくく、おにぎりや弁当に詰めても、翌日の朝食でも米本来の甘さが残る。5キロという量は、一人暮らしなら2ヶ月弱、家族なら1ヶ月程度。季節が変わる間に、何度も炊く。その度に、坂東の水と土が食卓に上る。

米どころの選択肢、そして酒へ
坂東の返礼品には、米の選択肢が複数ある。コシヒカリは全国で最も知られた品種。にじのきらめきは茨城県が開発した品種で、粒が大きく、食べ応えがある。どれを選ぶかは、その家の食べ方次第だ。

そして、坂東の米は酒にもなる。坂東の米で醸す日本酒 将門は、この地で育った米を使い、地元で仕込まれた純米大吟醸だ。山田錦という酒造好適米を使い、華やかな香りと洗練された味わいを目指している。晩酌の時間に、米が別の姿で戻ってくる。それは、坂東という土地が、米をどう活かすかを知っているということでもある。
利根川の古い愛称は「坂東太郎」。この大河が運んできた肥沃な土が、今も台地の田畑を潤している。寄付して届く米は、その歴史の一部を、家の食卓に置く行為だ。
