山の水が、酒になるまで
川崎町は蔵王連峰の麓にある。町の面積の85%が山岳・丘陵地帯で、残る盆地部分を碁石川とその支川が流れている。この地形が、酒造りの条件を整える。
伯楽星の純米大吟醸は、この町で仕込まれる。蔵王の雪解け水——それは春から初夏にかけて、熊野岳や刈田岳から流れ落ちる清冽な水だ。山に囲まれた盆地の静寂の中で、米と水と麹菌が時間をかけて対話する。純米大吟醸という仕込み方は、米の心白だけを使い、低温でゆっくり発酵させる。急ぐことを許さない工程だ。

晩酌の盃に注ぐと、香りが立つ。それは蔵王の冷気を閉じ込めたような、透明感のある香りだ。口に含むと、米の甘みと酸のバランスが舌の上で静かに展開する。この酒を飲むことは、川崎町の地形——山と水と時間——を身体で感じることになる。
米と、温泉と、山の恵み
同じ町で育つひとめぼれの玄米も、この水と土地の産物だ。30キロの玄米は、秋の収穫から冬を越して家に届く。玄米のまま保存すれば、春先まで香りと栄養を保つ。毎朝、精米機で必要な分だけ白米にして炊く——そういう食べ方を選ぶ人もいる。

川崎町には青根温泉、峩々温泉、笹谷温泉がある。湯元不忘閣の宿泊券で一泊すれば、温泉に浸かり、山の季節を肌で知ることができる。春は雪解けの音、夏は蝉の声、秋は紅葉、冬は静寂——四季が山の中で濃く、短く、繰り返される土地だ。
芳醇ゆず酒も、この町の冬の手当てだ。柚子の香りと酸味が、冷えた夜の湯呑みを温かくする。ロックで飲むも良し、お湯で割るも良し。山の町の冬の夜に、こうした酒が一本あると、暮らしが整う。
川崎町への寄付は、蔵王の麓で、山の水と時間を使って何かを作り続ける人たちを支えることだ。その返礼品は、その営みの痕跡を、家の食卓に届ける。