山と海に囲まれた島の、夏の台所
伊平屋島は、沖縄本島の北方に浮かぶ小さな島だ。賀陽山を最高峰に、200m級の山々が連なり、島の大部分を山林が占める。その間を縫うように、田名、前泊、我喜屋、島尻の集落が海岸の沖積低地に息づいている。
年間降雨量は2000mm内外と多く、亜熱帯の温暖な気候が支配する。秋から冬には北北西の季節風が強く吹き、夏から秋には台風や干ばつの脅威も受ける。そうした厳しさの中で、この島の農家たちは、本島では育たない果実を育ててきた。
伊平屋産のパパイヤは、そうした風土の産物だ。届いた2kgの箱を開けると、黄緑から黄色に色づいた果実が詰まっている。パパイヤは追熟する果物。届いた時点では少し硬めのものが多いが、室温に置いて数日待つと、甘い香りが立ち上がり、指で押すと柔らかく沈むようになる。

食べ方は、縦に半分に切って、中央の黒い種をスプーンでかき出し、そのままスプーンですくって食べるのが最も簡単だ。朝食の食卓に、冷やしたパパイヤを置く。種の周りの果肉は甘く、繊維質も程よく、夏の朝の目覚めに心地よい。熟したものは、ヨーグルトに混ぜたり、スムージーにしたりもできる。少し硬めのうちなら、薄くスライスしてサラダに加えるのも良い。
南の島で、季節を食べる
同じく返礼品として届く伊平屋産のドラゴンフルーツは、さらに南国らしい見た目だ。ピンク色の外皮に、緑の葉のような突起が生えた、まるで異世界の果実のような姿をしている。中身は白か濃いピンク色で、小さな黒い種が無数に散らばっている。

ドラゴンフルーツは、パパイヤよりも日持ちが良く、冷蔵庫で1週間以上保つ。半分に切って、スプーンですくって食べるか、皮を剥いて薄くスライスして、そのまま食べるか、フルーツポンチに入れるか。淡い甘さと、種のプチプチとした食感が特徴だ。
伊平屋島の農家たちは、この島の気候と土地を読み、本島では育たない果実を丁寧に育てている。台風の季節も、干ばつの年も、乗り越えながら。その手間と時間が、あなたの台所に届く。夏から秋にかけて、南の島の恵みを、毎日の食卓で味わう。それは、この小さな島の営みを、自分の家族の食事の中に迎え入れることでもある。
琉球王統発祥の地とされるこの島は、古くから王府直轄領として大切にされてきた。現在、人口は1200人余りまで減少したが、その分、島の自然と人の営みの距離は近い。返礼品として届く果実は、そうした島の現在を、最も素直に伝えるものだ。
