屋嘉の山手で、夏を待つマンゴー
金武町の西端、屋嘉区の山手で栽培されるマンゴーは、この町の農業を象徴する果実だ。沖縄本島の中部に最も近い屋嘉は、都市化の波を受けながらも、水資源に恵まれた土地で野菜から果樹まで多様な作物を育ててきた。その中でも、金武町のアップルマンゴーは、夏の盛りに届く贈答品として、町の顔になっている。

アーウィン種のマンゴーは、濃厚な甘さが特徴だ。届いた時点では、まだ硬さが残っているかもしれない。数日、室温で寝かせると、皮が黄色く色づき、香りが立ち上がる。その時が食べ頃。包丁を入れると、繊維質の少ない果肉が、ナイフに吸い付くように切れる。一口かじると、濃密な甘さが口いっぱいに広がる。冷蔵庫で冷やして食べるのも良いが、常温で食べると、その土地の日差しと水が、そのまま味になっていることに気づく。
金武町は、総面積の55%以上が米軍用地で占められている。キャンプ・ハンセンの実弾演習場に隣接し、山側も水域も基地に囲まれた地形だ。そうした制約の中で、農民たちは豊富な水資源を活かし、田芋や米、そしてマンゴーを育ててきた。屋嘉のマンゴーは、そうした土地の歴史と、作り手の手仕事の結果である。
金武の夜に、地元の一杯
金武区の中心地には、米兵向けの歓楽街「新開地」が栄えている。その一角で生まれたタコライスは、今や沖縄を代表するB級グルメだ。そうした町の夜の文化の中で、オリオン ザ・ドラフトは、沖縄の地ビールとして、家の食卓にも、町の居酒屋にも欠かせない存在だ。

オリオンビールは、沖縄で1957年から醸造されている。その歴史は、本土復帰前の琉球政府時代にさかのぼる。金武町は1980年に町制を施行したばかりの若い町だが、その町の人々が飲んできたビールは、沖縄の戦後史そのものを映している。500ml缶24本は、夏の晩酌に、家族の集まりに、ちょうど良い量だ。冷えたグラスに注ぐと、沖縄の夜の空気が、一杯に凝縮される。

金武町は、海に面し、山に囲まれ、基地と共存する町だ。その複雑な地形と歴史の中で、農民は果実を育て、醸造所はビールを仕込む。返礼品として届く一つの果実、一本のビールは、その町の日常そのものである。
