島の夏は、パッションフルーツの香りで始まる
沖永良部島の西半分を占める知名町。東シナ海に浮かぶこの島は、夏になると独特の果実が熟す。パッションフルーツだ。

届いた箱を開けると、黄色く丸い果実が12個。皮はまだ少し固いかもしれない。数日置いて、皮がしわっぽくなるまで待つ。そこが食べ頃だ。半分に切ると、中から黒い種と透明なゼリー状の果肉が現れる。スプーンですくって、そのまま口に入れる。酸っぱさと甘さが一度に来て、喉を通る。南国の日差しをそのまま食べているような感覚だ。
この島の台所では、パッションフルーツはヨーグルトに混ぜたり、炭酸水に浮かべたり、ジャムにしたりする。冷蔵庫に常備しておくと、夏の疲れた体が自然と求める。種ごと食べるので、後片付けも簡単。皮は厚いから、届いた状態で傷みにくい。
沖永良部島は琉球石灰岩の島で、昇竜洞や大山水鏡洞といった鍾乳洞が島の地下に広がっている。その地質が育む土壌で、パッションフルーツは独特の香りと酸味を持つようになる。島の農家たちは、この果実を丁寧に育てている。
黒糖焼酎で、島の夜を味わう
もう一つ、知名町の食卓に欠かせないのが黒糖焼酎だ。天下無双やをちみづといった銘柄が、この島で作られている。

黒糖焼酎は、奄美群島の伝統的な酒だ。黒糖を原料にした焼酎は、独特の甘い香りと、後味の爽やかさが特徴。ロックで飲むと、氷が溶けるにつれて味わいが変わっていく。夏の夜、縁側で飲むなら、水割りがいい。パッションフルーツの甘酸っぱさと、焼酎の黒糖の香りが、不思議と調和する。

島の夏は長く、夜も蒸し蒸ししている。そんな時、冷えた焼酎は体を落ち着かせる。島の人たちは、こうして季節を過ごしてきた。寄付して届く返礼品は、その営みの一部だ。
