漁港の町、串木野の食べ方
吹上浜の北端に位置するいちき串木野市は、かつて金山と遠洋マグロ漁業で栄えた町だ。今も串木野漁港は市内最大の漁港であり、遠洋漁業の基点として機能している。私がこの町を見るとき、思い浮かぶのは、朝の港の風景だ。夜間に水揚げされたマグロが、氷に包まれて並ぶ。その鮮度を保ったまま、全国へ送られていく。その流れの中に、ふるさと納税の返礼品も組み込まれている。
推し一品は、旬の天然メバチまぐろ中トロ・赤身セットだ。合計約600グラム、中トロと赤身が厳選されて届く。この品を選んだ理由は、いちき串木野という町そのものが、このマグロの水揚げと切り離せないからだ。遠洋漁業の基地であることが、この町の産業の中心であり、その歴史でもある。

届いたマグロは、柵の状態で冷凍されている。解凍は前夜から冷蔵庫へ。朝、包丁を入れると、中トロの脂が光る。赤身は深い赤。刺身として、そのまま醤油とわさびで食べるのが最もシンプルだが、家の食卓では、海鮮丼の具にすることが多い。温かいご飯の上に、解凍したマグロを並べ、卵黄を落とし、刻み海苔をかける。一杯で、串木野の漁港が食卓に着地する感覚がある。
焼酎と、もう一つの産業
この町の食卓には、焼酎も欠かせない。薩摩七夕の飲み比べセットは、本格芋焼酎の紙パック2本。晩酌の相棒として、毎晩の食卓に置かれる。焼酎は、この町の蔵元たちが代々守ってきた産業だ。濵田酒造、若松酒造、田崎酒造、吉村醸造など、複数の蔵が市内に本社を置いている。マグロと焼酎。海と山の産業が、この町の経済を支えてきた。

肉の選択肢
マグロだけでなく、肉も返礼品の中心を占めている。鹿児島県産黒毛和牛100%ミンチは、A4等級以上の挽肉。約350グラム×2パック、計700グラムが届く。ハンバーグ、ミートソース、肉味噌など、日々の調理に使いやすい形だ。冷凍庫に常備しておくと、夜間の献立の急な変更にも対応できる。

また、調理済の九州産焼鳥セットも、家の食卓の時間を短縮する選択肢になる。5種盛り合わせ、計36本、約1キログラム。解凍して、そのまま食べられる。焼鳥は、この町の飲食文化の一部でもあり、居酒屋の定番メニューでもある。
町の風土を食べる
いちき串木野市の返礼品は、『この町で何が採れ、何が作られているか』を、そのまま食卓に届ける仕組みになっている。マグロ、焼酎、黒毛和牛、焼鳥。それぞれが、この町の産業史と現在を物語っている。寄付をして返礼品を受け取ることは、単なる商取引ではなく、この町の生業を、自分の食卓で支える行為でもある。
