清流が育てた米—菊池の台所から
菊池市の中心を流れる菊池川。その源流は阿蘇外輪山の広葉樹林に抱かれ、大小の瀬と渕をつくりながら下ってくる。この清冽な水が、江戸時代から「肥後米」として知られた菊池米を育ててきた。
私が菊池を見るとき、思い出すのは穀倉地帯としての厚みだ。播州米・備州米と並んで、大坂堂島の米相場を決める基準とされた—それほどの品質が、この町の水と土から生まれていた。いまも、その伝統は続いている。
れんげ米は、菊池産の米の中でも、土地の手当てが見える品だ。れんげを肥料にする農法は、化学肥料に頼らない営みの痕跡。届いた米を炊くとき、その水の記憶が粒に残っているような、そういう手ざわりがある。白米か玄米か、精米方法を選べるのも、家の食べ方に合わせる配慮。毎日の食卓に、この町の清流が着地する。

季節の果実と、酪農地帯の恵み
菊池は西日本最大の酪農地帯でもある。その傍らで、メロンやぶどう、梨が育つ。厳選フルーツ便は、春から冬へ、季節ごとに異なる果実が五回に分けて届く定期便。メロン、ぶどう、梨、太秋柿、いちご—それぞれが旬を迎える時期に、菊池の農家の手から家に届く。

一度に大量ではなく、季節ごとに少量ずつ。そういう食べ方が、この町では自然だ。冷蔵庫に詰め込むのではなく、届いたものを家族で味わい、次の季節を待つ。そうした時間の使い方が、菊池の農業の現実と重なっている。
牛小間スライスも、この酪農地帯の産物。220グラムを十パック、合計2.2キロ。小分けされているのは、家の冷凍庫の現実を知っているからだろう。週に何度か、必要な分だけ取り出して、炒め物や煮込みに。菊池の牧場で育った牛が、毎日の台所に溶け込む。
温泉街としての顔
菊池温泉は、1954年に湧出してから、この町のもう一つの顔になった。楽天トラベルクーポンで、市内の対象施設に泊まることができる。菊池渓谷の避暑地としての涼しさ、そして「わいふの湯」「美肌の湯」と銘打たれた温泉の湯。熊本市から北東約25キロ、日常から少し離れた距離感で、この町の水と風に触れる。
米、果実、牛肉、そして温泉。菊池の返礼品は、この町の産業と地形が一貫している。どれを選んでも、菊池川の源流から平野へ流れ下る、その流れの中に自分たちの暮らしを置くことになる。
