海と山に囲まれた土地が、いま育てるもの
水俣は熊本県の最南部、不知火海に面したリアス式海岸の町だ。北・東・南を山に囲まれ、かつては豊かな海の幸に恵まれていた。しかし1956年の水俣病公式発見以降、長く禁漁を余儀なくされ、農業も風評被害に苦しんだ。その苦難の中で、この町は選択を迫られた。
1997年に漁が再開され、その後、水俣は「環境・健康・福祉を大切にする産業文化都市」へと舵を切った。農薬・化学肥料を使わない農業が広がり、無農薬の茶や柑橘類の産地として知られるようになった。そして同時に、この町の畜産も、その環境への向き合い方を反映している。
推し一品:くまもとあか牛の小間切れ
くまもとあか牛の小間切れは、500g×2パック、計1000gで届く。赤身が主体の牛肉で、脂っこさがなく、肉そのものの味わいが前に出る。

この牛は、熊本県内の環境を意識した飼育地で育つ。水俣が環境モデル都市として認定され、ゴミの分別を24種類に細分化し、市民・企業・行政が一体で資源循環に取り組む中で、その理念は食の現場にも浸透している。赤牛は、放牧や粗飼料を重視した飼育が特徴で、工業的な肥育とは異なる。

小間切れという形状は、家の台所で最も使いやすい。炒め物に、すき焼きに、丼に。冷凍で届くため、必要な分だけ解凍して使える。赤身の牛肉は、加熱時間が短くても硬くなりにくく、夜の食卓で急いでいる時にも頼りになる。水俣の環境への向き合い方が、結果として、日々の食べ方の現実性にも結びついている。
海の再生を象徴する柑橘、そして地ビール
デコポンのバラ詰めは、5kg、訳あり品だ。傷やサイズが混在しているが、味に変わりはない。不知火(デコポン)は、この地の柑橘を代表する品種で、甘みが強く、生でも食べられる。水俣湾の安全宣言から26年、漁業の再開と並行して、この町の農業も息を吹き返した。

訳あり品を選ぶことは、この町の歴史と向き合うことでもある。完璧さを求めず、傷も含めて受け入れる。その姿勢が、水俣病の経験を踏まえた環境都市づくりの根底にある。
不知火海浪漫麦酒は、地ビール3種5本のセット。不知火海という名を冠した地ビールは、この町が海とどう向き合っているかを、飲み手に問いかける。晩酌の時間に、この町の風景と歴史が、グラスの中に映る。
返礼品を選ぶ時の視点
水俣の返礼品を選ぶなら、「環境」という言葉の重さを感じながら選んでほしい。高級感や希少性ではなく、この町がどう生きようとしているか、その選択が食卓にどう着地するか。赤牛の小間切れも、訳あり品のデコポンも、そうした視点で選ばれた品だ。
