梨が重い理由
広川町の梨を手にすると、まず重さに驚く。豊水という品種は、果肉に水分をたっぷり含んでいるからだ。この町は紀伊水道に面し、黒潮の影響で温暖。降水量も太平洋側としては少なく、果樹栽培に適した気候が整っている。広川が流れ、その水が段々畑に引かれ、夏の日差しと水のバランスが梨の甘さを作る。
梨 豊水 約5kgが届くのは8月下旬以降。この時期、梨は冷蔵庫の野菜室に寝かせておくのが正解だ。食べる2時間前に冷やし、皮をむいて芯を取る。その時の果汁が手に落ちる。家族分、一人一切れずつ、朝食の後に食べるのが、この町の梨の食べ方だと私は思う。日中の暑さの中で、冷えた梨の甘さと水分は、体に沁みる。

ぶどうの先行予約、夏への期待
同じ季節、シャインマスカットも育つ。シャインマスカット 2房 約1kgは種がなく、皮ごと食べられる。房のまま冷やして、食卓に出す。子どもの手でも房から粒を外しやすく、夏の家族の食事が少し楽になる。梨とぶどう、どちらも8月下旬の先行予約だから、この町の夏は、こうした果実の季節として家族の中に刻まれていく。

米と肉、通年の食卓
梨やぶどうが季節の彩りなら、米 元気つくしは通年の基盤だ。容量を選べるのは、家族の人数や保存スペースに合わせるためだろう。広川町はJAふくおか八女の産地で、米作りの歴史が深い。毎日の飯を支える米が、この町から届く。
博多和牛 切り落としは、梨や米とは別の系統の返礼品だが、夏の夜、冷えたビールの傍で、すき焼きや牛丼の具として活躍する。切り落としは調理の手間が少なく、家の台所の現実に合わせやすい。
風景が返礼品になるまで
広川町の中央を流れる広川は、古くから町の生活を支えてきた。1854年の安政南海地震の時、濱口梧陵が稲わらに火をつけて村人を津波から救ったという「稲むらの火」の物語は、この町が水と向き合い、その脅威と恵みの両方を知っていることを示している。今、その同じ土地で育つ梨やぶどう、米は、その歴史の上に成り立っている。
返礼品として家に届く時、それは単なる食べ物ではなく、この町の季節、気候、水、そして人の手が一つになった形だ。