福岡市の東隣で、明太子が作られている
篠栗町は福岡市から東へ12km。福岡平野の東端に位置する町だ。中心部は住宅開発が進み、ベッドタウンとしての顔が強い。だが、この町には意外な産業がある。辛子明太子の製造・販売を手がける株式会社やまやが本社を置いているのだ。
福岡といえば明太子。その福岡の中でも、篠栗町はこの食文化を支える一角を担っている。都市圏の一部でありながら、食卓の奥行きを作る仕事が静かに続いている。
やまやの無着色明太子 1kgは、この町の返礼品の中で最も町の生業を体現している。白いご飯の上に、そのまま乗せる。朝食の定番として、毎日の食卓に着地する品だ。無着色というのは、添加物に頼らず、素材の色合いを活かしたもの。明太子の赤は、唐辛子本来の色。食べるたびに、この町で丁寧に作られたものが家に届いていることを感じる。

1kgという量は、一人暮らしなら数週間、家族なら1週間から10日ほど。冷凍保存すれば、食べたいときに食べたい分だけ解凍できる。朝食に、おにぎりの具に、酒の肴に。使い方は家の食べ方次第だ。
和牛と、もう一つの明太子
篠栗町の返礼品には、もう一つの顔もある。博多和牛のモモスライスだ。赤身の牛肉は、焼肉にも、すき焼きにも、牛丼にも使える。福岡の食卓に欠かせない和牛が、この町を経由して家に届く。

そして、やまやの訳あり明太子 300g。こちらは、形が揃わなかったり、サイズが小さかったりした品を詰めたもの。味に変わりはなく、むしろ家庭用として気兼ねなく使える。小分けにして冷凍しておけば、毎日の食卓に重宝する。
篠栗町は、かつて炭鉱の町だった。1960年代のエネルギー革命で閉山した後、工業団地の立地を進め、今は農業と観光業が中心という。だが、やまやのような食品製造業が根付いたことで、この町の食卓への貢献は続いている。福岡市に近い立地だからこそ、都市圏の食卓を支える産業が育ったのだろう。
返礼品を通じて、篠栗町の仕事が家に届く。それは、単なる商品ではなく、この町の生業そのものなのだ。