筑後川が育てた秋の柿
福岡県の南東部、筑後川を挟んで朝倉市と接するうきは市。この町の秋は、柿の季節だ。
西見柿農園の太秋柿は、その名の通り秋が深まる時期に届く。太秋という品種は、甘さが濃く、果肉が硬めで日持ちがいい。箱を開けた時、ずっしりとした重さが手に伝わる。皮をむくと、透き通るような黄橙色の果肉が現れる。

この地域は古くから果樹栽培が盛んだ。ブドウ、イチゴ、ナシ、カキ、モモ——筑後川の水と、山々に囲まれた盆地の気候が、こうした果物たちを育ててきた。柿も例外ではない。秋が深まると、農家たちは一つ一つ手で収穫し、選別する。その手間が、食卓に届く一個の柿に詰まっている。
太秋柿は、そのまま食べるのが最も素直だ。朝、冷蔵庫から出したばかりの柿を、皮をむいて齧る。秋の朝日が差し込む台所で、その甘さが口に広がる。あるいは、少し硬めのうちに薄くスライスして、ヨーグルトに混ぜるのもいい。日が経つにつれ、柔らかくなっていく様子も楽しめる。
初夏から秋へ、イチジクの時間
同じうきは市の果樹農家から、別の季節の顔も届く。とよみつひめというイチジクだ。

イチジクは、初夏から秋にかけて、何度も実をつける。一つの木が、長い期間、食卓に登場する。300g単位で4パック、計1.2kg。これは、家族で少しずつ、何日かに分けて食べるのに丁度いい量だ。
イチジクは、届いたその日が食べ頃とは限らない。箱から出して、室温に置き、香りが立つまで待つ。皮が少し柔らかくなったら、半分に割ってみる。中の赤い果肉が、光に透ける。そのまま食べるのもいいし、ジャムにするのもいい。冷凍して、後で解凍して食べるのも、イチジクならではの楽しみ方だ。
米も、この町の基本
果物だけではない。ぶんぶんファームの自然栽培米、ひのひかりも、うきは市の食卓の基本だ。玄米で届き、自分たちで精米するか、そのまま炊くか。選べる容量は5kg、10kg。秋の新米の季節、この米が炊き上がる香りは、その土地の秋そのものだ。
筑後川沿いの町で、季節ごとに届く果物と米。それらは、決して高級品ではなく、その土地で当たり前に食べられてきたものたちだ。だからこそ、家の食卓に着地する時、違和感がない。秋から冬へ、冬から春へ。季節が移ろう中で、この町の農家たちの手が、食卓を支えている。
