山に囲まれた町が、今も手仕事を続ける理由
田川は、三方を山に囲まれた内陸の町だ。北には香春岳、西には船尾山、南には英彦山。その谷間で、かつて炭鉱が栄え、今も産業の転換を重ねながら生きている。
私がこの町を見ると、『閉山後の産業転換』という言葉では片付かない、もっと地道な営みが見える。セメント産業は今も船尾山で石灰石を採掘し、チロルチョコは全国に流通し、工業団地には製造業が根を張っている。そして、その営みの中に、田川産の大麦を使った焼酎がある。
田川産大麦焼酎は、この町の『今』を飲む返礼品だ。大麦という素材は、かつての炭鉱労働者たちが食べた麦飯と無関係ではない。山に囲まれた冷え込みやすい気候で育つ大麦を、地元の蔵が焼酎に仕込む。晩酌の盃に注ぐと、麦の香りが立ち、後口に土地の手仕事が感じられる。冬の放射冷却で冷え込む夜、温かい食卓に似合う一本だ。

黒毛和牛と米で、食卓を整える
焼酎の相棒として、九州産黒毛和牛のモモスライスを選ぶ手もある。量が選べるのは、一人暮らしから家族まで、その時々の食卓に合わせられるということ。焼肉のタレが仕立てられているから、届いたその日に、手間をかけずに食べられる。夏の真夏日が多いこの町では、冷たく冷やした焼酎と、焼いた牛肉の組み合わせが、季節の疲れを癒す。

主食には、福岡県産の無洗米。白米を研ぐ手間を省いて、すぐに炊ける。毎日の食卓に、福岡の米が着地する。焼酎、牛肉、米——三つの返礼品は、特別な日のためではなく、この町から届く『日常の食べ方』を提案している。
田川は、かつての栄光を懐かしむ町ではなく、今も何かを作り、育て、送り出す町だ。その営みが、食卓に届く。
