筑後川が育てる、冬の赤
久留米の町は筑後川に沿って東西に長く伸びている。北東から南西へ、この川が市域を貫き、その流域の土地が、この地方の農業を支えてきた。冬から春へ向かう季節、その川沿いの農地では、赤い粒が日に日に色を濃くしていく。
福岡県産のあまおうは、この地の冬の代表作だ。私が推したいのは、春のあまおうである。2月以降の出荷という指定は、単なる時期ではなく、苺の食べ方そのものを変える。冬の早期出荷品とは違い、春に向かう中で熟度を深めた粒は、酸と甘のバランスが一層立体的になる。250グラム×4パックという分量は、一家族が一週間かけてゆっくり味わう量だ。毎朝、冷蔵庫から取り出し、常温に戻してから食べる。その数分の間に、粒の表面が微かに湿り、香りが立ち上る。朝食のヨーグルトに、昼のケーキに、夜のデザートに。同じ苺でも、時間帯と組み合わせで表情が変わる。そういう「食べ方の余裕」を持たせてくれるのが、春のあまおうだ。

米と焼酎、筑後平野の主役たち
筑後平野は米どころでもある。福岡県産夢つくしは、食味ランキングで上位ランクを4年連続で受賞している品種だ。無洗米で届くため、研ぐ手間がない。毎日の炊飯が、ほんの少し楽になる。米の粒が立ち、甘みが引き立つ品種として知られ、おかずを選ばない。白いご飯だけで食べても、塩辛いおかずと合わせても、その米自体の味わいが邪魔をしない。

米を育てた土地からは、焼酎も生まれる。米焼酎は、福岡県酒類鑑評会で2年連続金賞を受賞した品だ。2リットルの紙パック×6本という量は、晩酌の習慣がある家庭にとって、ちょうど良い備蓄量になる。ロックで、水割りで、湯割りで。季節ごとに飲み方を変えながら、数ヶ月かけて消費していく。米焼酎の透明な香りは、筑後平野の水と米を同時に思い出させる。

明太子と、台所の「ハレ」
久留米は、筑後地方の商業都市として、古くから流通の中心地だった。その歴史の中で、九州の食文化が集約されている。無着色の辛子明太子は、博多の名産として知られるが、久留米経由で全国に届く品でもある。桶入りで、選べる内容量。270グラムなら、家族の食卓に週に2〜3度、ご飯の上に乗せる量だ。無着色という指定は、卵本来の色を活かしたもの。タレの深さが、人工的な色付けに頼らない。白いご飯、温かい味噌汁、漬物。そういう日常の食卓に、明太子は「ハレ」をもたらす。毎日ではなく、時々。その「時々」が、食事を記憶に変える。
筑後平野の町から届く返礼品は、派手さより、台所での使い方の現実を見ている。季節を感じ、毎日を丁寧に重ねていく。そういう食べ方を、この町は提案している。