肱川の水が、ビールになるまで
私は大洲という町を、肱川が作った盆地だと見ている。標高500~800メートルの山々に囲まれ、霧が発生しやすく、冬には雪も降る。その盆地の中で、江戸時代から城下町として人が暮らし、明治には蚕糸業や木蝋業で栄えた。そうした歴史の中で、この町の水と風土を知る者たちが、いま臥龍のクラフトビールを仕込んでいる。

金賞と銀賞を受けたというのは、単なる品質の証ではない。肱川の清冽な水、盆地特有の気候、そしてそれらを読み取る醸造者の手が、一本のビールに凝縮されているということだ。届いたビールを冷やし、グラスに注ぐ時、あなたは大洲の地形と季節を飲んでいる。
米と野菜で、台所を満たす
同じ肱川流域で育つ大洲の米と野菜・果物の詰め合わせは、この町の農業の現在を映している。盆地の土は、野菜も米も育てる。冬の寒波で雪が降る季節も、春から秋にかけての霧も、すべてが作物に影響を与える。

米は容量を選べる。一人暮らしなら3キロ、家族なら10キロ。毎日の食卓に、大洲の土と水が届く。野菜セットは季節ごとに内容が変わるだろう。卵も入る。それは、この町の農家たちが、年間を通じて何を育てているかを、あなたの台所で知ることになるということだ。
城下町の手仕事が、いま
大洲は「伊予の小京都」と呼ばれ、2021年度にはグッドデザイン賞を受けた城下町の取り組みを進めている。臥龍山荘という明治の数寄屋造の名建築も残る。そうした町が、いま新しい手仕事を始めている。クラフトビールはその一つだ。
返礼品を選ぶことは、寄付という形で、この町の現在を支えることになる。肱川の水を使い、盆地の気候を読み、金賞を獲ったビールを飲む。米を炊き、野菜を調理する。そのすべてが、大洲という町の営みの一部だ。
