港と山に挟まれた町の、酒と食の営み
周南市は山口県の東南部、瀬戸内海に面した港町だ。南は工業地帯が広がり、北は中国山地へ向かう。この地形が、町の食べ方を決めている。
臨海部には国際拠点港湾・徳山下松港があり、重化学工業が立地する。一方、北部の農村地域や瀬戸内の島々からは、米や野菜、そして海の幸が流れ込む。戦後の復興期から現在まで、この町は工業と農漁業の両輪で成り立ってきた。そうした背景の中で、地元の酒蔵たちは何代にもわたって酒を仕込み続けている。
周南三大酒蔵の酒を、晩酌の相棒に
私が推したいのは、周南三大酒蔵セットだ。

この町には複数の蔵元が、地元の水と米を使って酒を造ってきた。セットに含まれる酒たちは、それぞれ異なる蔵の個性を映している。一本一本、飲み比べることで、同じ瀬戸内の港町でも、蔵ごとに異なる仕込みの手、水の引き方、米の選び方が見えてくる。

晩酌の時間に、冷や酒をぐい呑みに注ぐ。あるいは、夏なら氷を浮かべてオンザロックで。秋口には、ぬる燗で。季節が変わるたびに、同じ酒でも表情が変わる。地元の人たちがそうしてきたように、この町の酒は、家の食卓に着地する時間を選ばない。
瀬戸内の海と、酒の相性
周南市の返礼品には、瀬戸内産の海の幸も多い。国産とらふくのちり鍋や刺身セットは、冬から春にかけて、家族や友人を招いた食卓の主役になる。

とらふくの淡白な身は、地酒の辛口とよく合う。鍋の出汁が深まるにつれ、酒の角が丸くなり、身体に沁みていく。こうした食べ方は、この町の漁師たちと酒蔵が、長年かけて作り上げた関係の中にある。
また、地元のクラフトビールも、瀬戸内の海風を感じさせる一品だ。工業地帯の傍らで、新しい世代の醸造家たちが、この町の水と技術を使って、新しい味を生み出している。
返礼品を選ぶ時の視点
周南市への寄付を考える時、旅行クーポンも選択肢にはなる。だが、この町の本質を家に持ち帰りたいなら、地酒と海の幸を組み合わせることをお勧めする。酒蔵の営みと漁業の営みが、同じ瀬戸内の風土の中で、何十年も続いてきたからだ。
返礼品は、寄付という行為を通じて、その町の産業と人の手を支える仕組みでもある。周南市の酒と海の幸を選ぶことは、港町の営みを、自分の食卓の中に招き入れることなのだ。
