山の斜面が生む、ぶどうの季節
新見市は岡山県の北西端、中国山地と吉備高原に挟まれた盆地の町だ。面積の85パーセント以上が山地で、1000メートル前後の峰々が連なる。その険しい地形の中を高梁川の支流が流れ、V字谷を刻んでいく。こうした山間の地理が、この町の農業を形作ってきた。
新見はぶどうの産地として知られている。岡山県内でも有数の栽培地で、特にピオーネやニューピオーネが育つ。山の斜面を段々に開いた畑で、夏から秋にかけて、粒の大きな黒紫色のぶどうが房をつける。新見のニューピオーネは、種がなく、皮ごと食べられる。届いた房をそのまま冷蔵庫に入れ、食卓に出す時に房から粒をもぎ取る。その手触りと、かじった時の果汁の濃さが、山の日照と水が詰まった証だ。

梨と桃、秋の果実の重ね合わせ
ぶどうだけではない。新見はクリ、リンゴ、ニホンナシの主産地でもある。秋が深まると、梨の季節が来る。あたご梨やヤーリーといった品種は、新見の冷涼な気候と、山からの清水が育てる。梨は日持ちがするので、届いてから数日かけて、家族で少しずつ食べるのに向いている。

夏から秋への移ろいの中で、黄金桃やニューピオーネ、新高梨をコンポートにした詰め合わせも選べる。瓶詰めなら、そのまま冷蔵庫に置いて、朝食のヨーグルトに混ぜたり、午後の紅茶に浮かべたりできる。加工されることで、複数の果実の味わいが一つの時間軸に重なる。

米も、山の水が育てる
ぶどうと梨の季節が過ぎると、米の季節が来る。新見は山間地だからこそ、清冽な水に恵まれている。高梁川の上流域に位置し、複数のダムと河川が市域を潤す。新見源流米と呼ばれるコシヒカリは、その名の通り、山からの水で育つ。白米で炊いた時の粒の立ち方、冷めても硬くならない食感が、水の質を物語る。
新見の返礼品は、この町の地形と季節が、そのまま食卓に届く形だ。山に囲まれた盆地で、春から秋にかけて次々と実る果実。冬に向けて、米が蓄えられる。そうした営みの中で、家族の食卓が季節とつながる。
