津山盆地の冬、晩酌の景色
中国山地に囲まれた津山盆地は、冬が深い。北部・西部を中国山地に抱かれ、豪雪地帯に指定される地域も多い。そういう季節、台所の片隅に置いてあるのが、地酒と肉のつまみだ。私は津山をそういう町として見ている——城下町の格式と、盆地の農業の手仕事が、晩酌の時間に静かに着地する場所。
越前松平家が10万石で統治した津山藩の城下町は、江戸から明治へ、そして現在まで、商業と農業の中心地であり続けた。出雲街道の宿場町として栄え、今も市街地には商家の面影が残る。その町で、酒と肉の文化が育まれてきた。
雄町米の酒、牛肉料理に寄り添う
牛肉料理に合う酒「つやま宵」は、地元産の雄町米を使った特別純米酒だ。雄町は岡山県が生んだ古い米の品種で、津山を含む美作地方で栽培されてきた。その米を仕込んだ酒は、牛肉の脂と塩辛さに寄り添う。晩酌の時間、焼いた干し肉をつまみながら、この酒を一杯。盆地の冬の夜は、そういう時間が似合う。

つやま和牛の干し肉は、牛肉の聖地と呼ばれる津山の名物だ。塩漬けにして乾燥させた干し肉は、酒のあてとしても、ご飯のおかずとしても、台所に常備しておきたい品。届いた時点で食べられる状態なので、開けてすぐに晩酌の時間に入れる。肉の旨味が凝縮されているから、少量でも満足感がある。冬の夜、火鉢の前で、ゆっくり噛み締める。

地酒の選び方、もう一つの視点
加茂五葉の純米酒飲み比べも、津山の酒蔵の仕事を知る返礼品だ。雄町と日本晴、二つの米で仕込んだ酒を一度に味わえる。同じ蔵でも、米が変わると酒の表情は変わる。冬の夜、二種類を飲み比べながら、盆地の農業と酒造りの関係を考える——そういう時間も、ふるさと納税の返礼品がもたらす楽しみ方だと思う。

津山の晩酌は、派手ではない。だが、城下町の格式と、盆地の手仕事が、静かに台所に着地する。その時間を支える返礼品を選ぶことが、この町への寄付の意味だと考える。
