白崎の石灰岩が、この町の味を決めている
由良町は東西に細長い。東は山地、西は紀伊水道。その西の端、白崎海岸の石灰岩層が、この町の産業と食卓を形作っている。
石灰岩は水はけがよく、温暖な気候と合わせて、ミカン栽培に最適な土地を生む。町内で育つ「ゆら早生」「ゆらっ子」といった品種は、この地質があってこそ。一方、冬に海水温が一気に下がる紀伊水道の環境は、「衣奈わかめ」という独特のワカメを育てた。白崎の石灰岩は観光資源にもなり、万葉の時代から詩人たちに詠まれてきた。つまり、この町の風景も、食卓も、すべてが石灰岩という地質に根ざしている。
私がこの町を見るとき、思うのは『小さな町が、限られた風土の中で、何度も何度も工夫を重ねてきた』ということだ。人口5000人余りの町が、全国に知られた柑橘とワカメを生み出した。それは偶然ではなく、地形と季節に向き合い続けた結果だ。
旬のミカンが、四季を運ぶ
旬の柑橘定期便は、この町の顔そのものだ。春から初夏にかけて、青切りの有田みかんから始まり、完熟有田みかん、そして春の柑橘へ。四回に分けて届く。

定期便の良さは、『その季節に、その町で何が食べられているか』を家の食卓で追体験できることだ。冬の完熟みかんは、そのまま食べるのが正解。皮を剥いて、房を一つ口に入れると、甘さが広がる。春先の青切りは、酸味が残っているから、朝食のジュースにしたり、砂糖漬けにしたり。初夏の柑橘は、さっぱりとした甘さで、子どもたちのおやつになる。
一年を通じて、由良町の季節が家に届く。それは返礼品というより、その町の時間を分けてもらうことに近い。
海の幸も、同じ風土から
わかめ晩酌セットは、衣奈わかめを使った一品。冬の冷たい海水が育てたワカメは、歯ごたえが違う。味噌汁に入れるのもいいが、このセットなら、晩酌の肴として、そのまま食べる楽しみもある。

銀だらのだし漬けも、この町の食べ方を示唆している。真空パックの小分けは、一人分、二人分の夜ご飯に丁度いい。白いご飯の上に乗せて、だし汁をかけて食べる。手間がなく、それでいて『きちんと食べた』という満足感がある。
由良町の返礼品は、派手さがない。だが、毎日の食卓に着地する。それが、この町の強さだ。