山が97パーセント
上北山村に入ると、まず圧倒されるのは森の量だ。村の面積のうち97パーセントが森林。西に大峰山脈、東に大台ヶ原を見上げる山間部。国道169号以外の道は狭く、隣接する自治体へのアクセスさえ容易ではない。この隔絶こそが、この村の本質である。
昭和30年代までは林業が盛んだった。江戸時代には幕府に御用材を供給し、熊野川の筏流しや索道で木材を搬出していた。当時は2000人近くが暮らしていた。だが時代とともに林業は衰退し、人口は412人まで減った。今、この村を支えるのは観光と、山深さそのものである。
温泉宿で、山村の時間を借りる
2020年、5年ぶりに温泉宿泊施設が営業を再開した。大台ヶ原の麓、上北山温泉や小処温泉といった湯がある。この村に寄付すると、楽天トラベルの宿泊クーポンが手元に届く。

山深い村の宿は、都市の温泉地とは別物だ。到着するまでの道のりが長い。冬は国道309号が通行止めになる季節もある。だからこそ、着いた時の静寂が身に沁みる。夜間の人口が412人の村。宿の窓から見える景色は、街灯ではなく星だ。

温泉に浸かりながら、大峰山脈の稜線を思う。江戸時代、この山々から切り出された木が、索道で運ばれていった。今、その山々を眺めながら湯に浸かる。時間の流れ方が、ここでは違う。
寄付額に応じて、より長い滞在も選べる。山村の宿は、来客を心待ちにしている。吉野熊野国立公園の一部である大台ヶ原へのハイキング、ナメ谷の広葉樹林を眺める国道309号のドライブ。山村の観光は、移動そのものが風景である。

人口密度が全国で2番目に低いこの村で、時間を買う。それが、この返礼品の本質だ。
