奈良盆地の西、小さな町の食卓
河合町は奈良県北葛城郡の町だ。人口は約1万7千。1960年代から大規模な住宅地開発が進み、今は新興住宅地と古い集落が混在する風景を持つ。町の歴史は古く、古代は大和国広瀬郡の地であり、古墳群も豊富だ。だが私がこの町で最初に目に留まるのは、意外な産業の痕跡だ。
河合町は「貝ボタン」の産地として知られている。マーシャル諸島との姉妹都市関係は、その原材料となるタカセガイやクロチョウガイの取引に由来する。明治時代にさかのぼる産業だ。小さな町が、遠い島国と結ばれている。そういう土地である。
今、その町から届く返礼品は、黒毛和牛だ。黒毛和牛 A5ランク モモ ブロック。300gから2kgまで、自分の食卓のペースに合わせて選べる。

家の台所に着地する、選べる量
返礼品の良さは、ここにある。「1kg」「1.5kg」「2kg」と選択肢があることだ。一人暮らしなら300g、家族なら1kg、まとめて冷凍保存する余裕があれば2kg。届いた時点で、その家の食べ方が決まっている。

モモ肉のブロックは、焼く・煮込む・スライスする。用途が広い。冬なら鍋に、春先なら薄切りにしてサラダに。ブロックだからこそ、自分の包丁で厚さを決められる。スーパーの既製品とは違う、手仕事の余地がある。
A5ランクという等級は、肉質と脂のバランスを示す。奈良盆地の小さな町から、こうした品が届く。古い産業と新しい食卓が、一つの返礼品に重なっている。寄付という形で、その町の現在を家に迎え入れることになる。