由良川が運ぶ、丹波の米
綾部の町を南北に貫く由良川。この川が運ぶ水と、丹波高地から流れ込む栄養が、この地の米を育ててきた。京都府北部、山に囲まれたこの盆地で、古くから米作りは生業の中心だった。
私が綾部を見るとき、思うのは「山と川に抱かれた農の町」ということだ。市街地を流れる由良川沿いには、かつて水車が並び、製糸工場が立ち並んだ時代もある。だが、その前も後も、田んぼは町の骨格だった。
丹波産きぬひかりは、その歴史の上に成り立っている。きぬひかりという品種は、粘りと甘みのバランスが特徴だ。届いた米を研ぐとき、水が白く濁る。炊き上がると、一粒一粒が立つ。朝の食卓に盛ると、ご飯の香りが立ち上る——それは、この町の水と土が、毎年繰り返してきた営みの結果だ。

食味鑑定士が厳選したという言葉は、単なる品質保証ではない。丹波の米作り手たちが、毎年どの田んぼの、どの時期の米を出荷するかを判断する目利きが、そこに込められている。
米と、もう一つの顔
綾部は繊維・機械産業の町でもある。グンゼが発祥した地として知られ、今も京セラやオムロンといった企業が工場を構える。だが、その産業の背後には、農の営みがあった。かつて農家の女性たちが、農閑期に製糸工場で働き、家計を支えた時代がある。

丹波産コシヒカリも、同じ土地から届く。コシヒカリは日本の米の代表格だが、丹波で育つそれは、粘りが強く、冷めても硬くなりにくい。おにぎりにしても、お弁当にしても、時間が経ってから食べるときに、その特性が活きる。働き手が多かった時代、この米は、田んぼと工場を往き来する人たちの、日々の糧だった。

今、その米が家に届くとき、あなたの食卓は、綾部の時間と重なる。朝、ご飯を炊く。昼、おにぎりを握る。晩、温かいご飯を盛る。その繰り返しの中に、由良川の水と、丹波の土と、この町の人たちの手が、静かに入り込んでいる。
京都姫牛も、同じ地で育つ。A4ランク以上の牛肉は、脂の入り方が違う。切り落としは、すき焼きにも、炒め物にも、煮込みにも使える。米と一緒に届いたとき、その組み合わせは、綾部の食卓の日常そのものだ。