半島の西端、夕陽が描く風景
伊豆半島の西岸に位置する西伊豆町。山稜から流れ落ちる宇久須川と仁科川が駿河湾に注ぎ、その河口に小さな市街地が形を成している。海岸線は複雑で、黄金崎や堂ヶ島といった断崖と小島が織りなす景観が国指定の名勝に選ばれている。
この町の最大の特徴は、半島が西に突き出しているという地理だ。だから夕陽が海に沈む。富士箱根伊豆国立公園の一部でもあるこの海岸で、黒潮の影響を受けた温暖な気候が、漁業と観光を支えている。
漁港から食卓へ、金目鯛の干物
仁科漁港。はんばた市場という直売所がある。ここから届く干物が、この町の食卓の原風景だ。

金目鯛と鯵の干物詰め合わせは、西伊豆の漁師が朝に揚げた魚を塩漬けにし、潮風に晒したものだ。金目鯛は駿河湾の深海に棲む魚で、この海域でこそ獲れる。身は脂が乗り、干すことで旨味が凝縮される。鯵も同じ。秋刀魚やほっけも加わる。

届いた箱を開けると、塩辛い潮の香りが立ち上る。焙烤すれば、身がふっくらと戻る。白いご飯の上に乗せれば、それだけで晩酌になる。冬の朝食に、温かい味噌汁と一緒に食べるのもいい。干物は、漁港の営みを家の食卓に運ぶ最も素朴な方法だ。
海を眺める湯治の時間
この町には温泉が点在する。宇久須温泉、堂ヶ島温泉、浮島温泉。いずれも海に近く、湯に浸かりながら駿河湾を眺められる。
西伊豆クリスタルビューホテルの宿泊補助券や堂ヶ島ニュー銀水の宿泊補助券は、この海辺の温泉地での滞在を実現する。夕陽が海を赤く染める時間帯に湯に浸かる。それが西伊豆での過ごし方だ。

町は小さく、人口も減少が見込まれている。だからこそ、この風景と営みは、今この瞬間に見ておく価値がある。干物を食べ、温泉に浸かり、夕陽を眺める。それが西伊豆への寄付が運んでくる時間だ。
