大井川に挟まれた町の、海の幸
藤枝市は安倍川と大井川に挟まれた志太平野の町だ。海には面していないのに、なぜかつおが届く。それは、この町が江戸時代から東海道の宿場町として栄え、焼津の漁港と静岡の市場を結ぶ流通の要所だったからだ。今も、その地理的な立場は変わらない。焼津で水揚げされたかつおは、冷蔵で数時間のうちに藤枝を通り、やがて全国へ散る。その流れの中で、この町は漁師の手仕事と食卓をつなぐ役割を担い続けている。
かつおのたたきは、そうした背景を最も素直に表現する返礼品だ。焼津で揚がったかつおを、すぐに炙り、真空パックで小分けにする。選べる容量というのは、家族の人数や食べ方に合わせて、1kg から 6kg まで自分で決められるということ。届いたら、冷凍庫に入れておき、食べたい時に一パック取り出す。解凍は冷蔵庫で半日。夏の晩酌の肴に、薬味をのせて。秋口には、温かいご飯の上にのせて丼にする。冬は、湯通しして温かいままポン酢で。季節ごとに、台所の手が自然と違う食べ方を見つけていく。そういう、暮らしの中での使い方を想定した返礼品だ。

茶の町が作る、酒と調味料
藤枝は古くから茶の産地だ。1700年頃に植えられたという大茶樹が今も残り、朝ラーメンという独特の食文化まで生まれた。茶業が盛んな町では、自然と発酵食の文化も育つ。飛鳥山と藤枝小町のみりんセットは、そうした背景から生まれた返礼品だ。純米酒と純米本みりん。どちらも、米を塩漬けにして時間をかけて発酵させたもの。みりんは、煮物の照りを出すだけでなく、味噌汁の隠し味に、冷奴にかけても良い。純米酒は、冷やして飲むのはもちろん、煮魚の臭み消しに、炊き込みご飯の香り付けに。台所に常備しておくと、毎日のどこかで活躍する。

川の町の、米と海の組み合わせ
静岡県産の無洗米は、この町の農業の基本を表す。大井川の水を引いた田んぼで育った米。無洗米というのは、研ぐ手間を省いたもので、忙しい朝でも、すぐに炊ける。かつおのたたきを丼にする時、この米があると、ご飯の甘さがかつおの塩辛さを引き立てる。

初亀の特別純米は、地元の酒蔵の代表作。辛口という表現は、後味のきれいさを意味する。かつおのたたきを肴に、冷やして飲む。または、ぬる燗にして、秋の夜長に。米と水と麹だけで作られた酒は、どんな季節にも、どんな食卓にも溶け込む。
