山と水が米を育てる町
揖斐川町は、岐阜県の北西端に位置する。福井県、滋賀県と接する山越しの地形だ。町の中心を南へ流れる揖斐川の上流には、日本最大の貯水量を誇る徳山ダムがある。標高1100~1300メートルの山々に囲まれ、年間降水量は2500ミリを超える。豪雪地帯であり、特に旧・徳山村と旧・坂内村は特別豪雪地帯に指定されている。
こうした地形と気候が、米作りの条件を整える。冬の雪は春の水となり、ダムを経由して田へ流れ込む。山からの清冽な水、そして豪雪地帯ならではの寒暖差。こうした環境で育つ米は、粒が引き締まり、甘みが深くなる。
高橋米のハツシモは、この町の米作りを代表する一品だ。ハツシモは、岐阜県を代表する品種。粒が大きく、炊き上がりが白く、冷めても硬くなりにくい。家庭の食卓に届いた時、米粒の一つひとつが立っているのが見える。炊飯器の蓋を開けた瞬間、山の水と土の香りが立ち上る。

台所に着地する米
白米10キロは、四人家族で約2ヶ月分。毎日の朝食、昼食、夜食に使う米だ。冷蔵庫の野菜室に立てて保存すれば、湿度と温度が安定し、米の風味が長く保たれる。
炊く時は、水加減をやや少なめにするといい。ハツシモは吸水性が高く、米自体が水を含みやすい。山の水で育った米だからこそ、水との相性が良い。白米だけで炊いても、おかずなしで食べたくなる甘さがある。
冬場は、炊きたての温かいご飯を。春から秋にかけては、冷やご飯にして、おにぎりや冷や飯にしても粒がしっかり立つ。家族の食べ方に合わせて、米の表情が変わる。
揖斐川町に寄付すると、この米が家に届く。北アルプスの雪解け水と、豪雪地帯の土が育てた米を、毎日の食卓で味わう。それは、この町の風土を、家の台所に迎え入れることでもある。