水が町を作り、食卓を潤す
大垣は、水の都だ。揖斐川、長良川、牧田川といった一級河川が流れ、地下には豊富な自噴帯が広がる。この水が、江戸時代から城下町として、そして明治以降も繊維産業の中心地として、この町を支えてきた。水門川ではたらい舟が行き来し、清冽な地下水は上水道の源となり、菓子や食品製造の要となった。つまり大垣という町は、水を通じて、あらゆる食べ物と深く結びついている。
寄付すると届く返礼品の多くが食肉であることは、偶然ではない。この町の水は、良い畜産地を育てる。飛騨地方の黒毛和牛は、清冽な水と涼しい気候に恵まれた山間部で育つ。大垣から見れば、その飛騨は隣接する養老郡を越えた先にある。つまり、大垣の寄付者が受け取る飛騨牛は、同じ水系、同じ風土圏に育った牛肉なのだ。
霜降りの一皿が、晩酌の主役になる
A5飛騨牛カルビ焼肉用は、300グラム、2人前。届いた時点で既に小分けされ、個包装されている。冷凍庫に入れておけば、晩酌の日の朝に冷蔵室へ移すだけで準備が整う。

焼くのは簡単だ。ホットプレートか鉄板を熱し、霜降りの肉を置く。脂が溶け始めるまで待つ。その間に、大根おろしを用意し、ポン酢を注ぐ。肉の色が変わったら、すぐに食べる。焼肉用というのは、厚さが均一で、火の通りが予測しやすいということだ。希少部位のカルビは、赤身と脂のバランスが良く、一枚食べるたびに、その牛がどこで、どう育ったかが伝わってくる。

この肉は、夏の盛りの家族の食卓にも、秋口の夫婦の晩酌にも、冬の鍋の締めにも使える。冷凍であることは、季節を選ばず、食べたい時に食べられるという自由をもたらす。
水の町の、もう一つの顔
特選黒毛和牛カルビは、600グラムから2.4キログラムまで、家族の人数や食べ方に合わせて選べる。小分け、個包装という配慮は、大垣の返礼品全体に共通する特徴だ。これは、受け取る側の台所の現実を知っている、という姿勢の表れだ。

純米大吟醸の飲み比べも、この町の水と無関係ではない。日本酒は、仕込み水が命だ。大垣の地下水は、清冽で、ミネラルバランスが良い。この町で醸された酒は、その水の性質を映す。関ヶ原の戦いという歴史的背景を持つ銘柄を、東西で飲み比べるというのは、大垣が中山道と美濃路の交差点であり、東西の文化が出会う場所であることを、杯の中で体験させる仕掛けだ。
晩酌の時間に、肉を焼き、酒を注ぐ。その時間が、大垣という町の水と風土を、家の食卓に呼び込むことになる。
