雪国の米作り、玄米で届く理由
南砺市の五箇山は、富山県内でも最も積雪の多い地域だ。暖冬でも1メートル、多い年は3メートルを超える。その厳しさの中で、米は育つ。
みどりふぁーむのコシヒカリ玄米が玄米で届くのは、理由がある。精米したての白米より、玄米は保存性に優れ、冬の長い南砺の家では、春先まで食べ続けることを想定している。届いた20キロを、自分のペースで精米する。毎週末、小分けにして精米機にかける。その手間が、米を食べる実感につながる。

玄米のまま炊く人もいるだろう。浸水時間を長めにとり、水加減を少し多くする。炊き上がりは、白米より香ばしく、歯応えが残る。冬の朝、そういう米を食べると、体が温まる感覚がある。
里山の宿と、地ビール
南砺の食卓は、米だけでは成り立たない。

里山のオーベルジュ薪の音は、立野原という開拓地に立つ。かつて加賀藩の鷹狩場だった土地が、戦後は県内最大の開拓地となり、今はワイナリーやオーベルジュが増えている。1泊2食で、その土地の季節を食べる。冬なら、雪の中で育った野菜、地元の肉。台所の手間を見せる宿だ。

晩酌には、城端麦酒の定番セット。城端は、江戸時代から絹織物の町として栄え、今も井波彫刻とともに南砺の文化の中心だ。その町で醸されたクラフトビールは、6種類を2本ずつ。季節ごと、気分ごとに飲み分ける楽しみがある。
雪深い土地だからこその、ていねいさ
南砺市は、2004年に8つの町村が合併して発足した。平野部と五箇山という、全く異なる地形を抱えている。平野部は砺波平野の南部、五箇山は飛騨高地の北端で、起伏が激しい。
その両方を市域とすることで、南砺は多様な産業を持つようになった。井波彫刻、五箇山和紙、福光の木製バット。そして米。どれも、雪と向き合う中で磨かれた技術だ。
玄米で届く米も、クラフトビールも、オーベルジュの食事も、すべて『冬をどう過ごすか』という問いから生まれている。南砺に寄付することは、その問いに向き合う人たちの営みを、自分の食卓に迎え入れることだ。
