川と山に挟まれた、雪深い谷間
阿賀野川が北へ流れを変える地点。その沿岸の段丘に、阿賀町の集落は点在する。冬は年平均658センチの雪が積もる。特別豪雪地帯だ。気温は-10℃を下回る日も珍しくない。こうした厳しさの中で、人々は温泉を掘り当てた。
御神楽温泉もそのひとつ。町内には奥阿賀温泉郷をはじめ、麒麟山温泉、三川温泉、津川温泉など、いくつもの湯が湧く。山と川に囲まれた地形が、地下水を温め、湯を供給する。雪の季節、こうした温泉地は、外界との細い絆になる。
ブナの宿「小会瀬」の1泊2食は、その御神楽温泉にある。ペアでの宿泊。夜と朝、二度の食事が付く。冬の阿賀町に寄付すれば、この宿が家族を迎える。

雪の中で、地元の食卓を味わう
山間地の冬は、食べ物が限られる季節だった。だからこそ、この地では自然薯、きのこ、三川とうふなど、保存と工夫の食文化が育った。宿の食事は、そうした地元の恵みを主役にしている。
阿賀町は江戸時代、会津藩領だった。その影響は今も方言に残り、食の味わいにも息づいている。雪に閉ざされた冬、温泉に浸かり、地元の食卓に向かう。それは、この町が何百年もかけて作ってきた、冬の過ごし方そのものだ。
手ぶらキャンプ付きの同じ宿泊も選べる。温泉と食事に加え、キャンプの時間が加わる。春から秋、雪が消えた季節に訪れるなら、こちらも良い。阿賀野川の流れを聞きながら、焚き火を囲む。山間地の夜は、星が近い。
