胎内川が描く地形、米が映す季節
新潟県の北部、胎内川流域に沿って東西に細長く広がる胎内市。私がこの町を見るとき、まず思い浮かぶのは水の流れだ。櫛形山脈を横切って流れ下る胎内川は、平野部で扇状地を形作る。その扇央部では夏の少雨期に伏流水となり、扇端部では湧水が豊富に湧き出す。この水の動きが、米作りの根底にある。
稲作を中心に営まれてきた中条地区の農業は、この地形と水に支えられている。新潟コシヒカリの定期便は、そうした風土が毎月の食卓に着地する形だ。令和7年産の精米が、選んだ量と回数で届く。5キロか10キロか、1回か3ヶ月か3回か——家族の食べ方に合わせて組み立てられる。

米を炊く時、水を注ぐ。その水も、この町の地下から湧いたものかもしれない。新潟の米は銘柄で語られることが多いが、ここでは地形と水脈の話から始めたい。扇状地の土、湧水の豊かさ、そして冬の豪雪が春の水量を約束する。コシヒカリはそうした条件の中で、毎年同じ季節に同じ味で育つ。定期便で届く米は、その繰り返しを家の台所に組み込む選択肢だ。
黒川の山越えで、酒の水も変わる
同じ胎内川でも、山間部の黒川地区に入ると風景は一変する。ここは特別豪雪地帯に指定される山の中だ。2003年に黒川村主導でブドウ栽培が始まり、2007年には醸造施設「胎内高原ワイナリー」が設立された。ワイン産地として知られるようになったのは、この町の後半の歴史だ。

だが返礼品の中には、新潟の純米酒も用意されている。米と水で作られた酒は、米の産地と同じ論理で語ることができる。晩酌の一杯として、あるいは食事の時間に。酒も米も、この町の水脈から生まれたものだ。

胎内市に寄付すると、毎月の米が家に届く。それは単なる食材ではなく、扇状地の水が毎年繰り返す営みを、自分の食卓に迎え入れることでもある。
