谷津田の水が、粒を育てる
東庄町は、下総台地の東端に位置する。標高40~50メートルの丘陵地帯に、谷津田が幾筋も刻まれている。その地形が、この町の米作りの基盤だ。
利根川を境に茨城県と接し、北側には利根川沿いの低地が広がる。九十九里平野の北辺も町域に含まれる。こうした複雑な地形の中を、大利根用水が流れ、農業用水を供給している。谷津田という、谷間に細く刻まれた田んぼ——その水管理は手がかかるが、その分、水と土の関係が濃い。
神代米は、そうした環境で育つ。選べる容量・回数という仕組みは、家の食べ方に合わせて、季節ごとに新しい米を迎える余裕をくれる。5キロ、10キロ、7.5キロ——単発ではなく、複数回の配送を選べば、秋の新米から冬、春へと、その季節の米を食卓に置き続けることができる。

台地の歴史が、米作りの土台
この町は、古くから農業が基幹産業だ。平安時代末期から戦国期にかけて、千葉氏の一族・東氏がこの地を根拠地とした。その後、江戸時代には幕府直轄地や旗本の領地が複雑に入り組み、明治維新後も農業、水産、商業が盛んになった。
1971年に利根川河口堰が完成し、塩害防止と水資源確保が実現した。それまで、この町の農業は、利根川の河口に近い立地ゆえの塩害と戦ってきた。堰の完成は、米作りにとって転機だった。
今、神代米として出荷される米は、その歴史的な水管理の工夫と、現代の灌漑技術が重なった結果だ。谷津田に引かれた水は、季節ごとに調整され、粒を育てる。
食卓に、季節を重ねる
返礼品として届いた米は、白米の状態で家に着く。精白米だから、炊飯器に入れてすぐに炊ける。新米の季節なら、その香りと粒の立ち方が際立つ。冬から春へ向かう中で、同じ産地の米を何度も迎えることで、土地の四季が、食卓に積み重なる。
コカブが京浜市場でシェアトップを占めるこの町は、野菜作りでも知られている。だが、米もまた、この町の農業の根幹だ。谷津田の水が、粒を育てる。その事実を、毎日の食卓で感じることが、ふるさと納税の返礼品の本来の意味ではないだろうか。
