朝日が当たる時間に摘む、ブルーベリーの季節
富津は東京湾に突き出した岬の町だ。北側は京葉工業地帯に面し、南側は南房総国定公園に指定される。この地形が、町の産業を二つに分けている。工業と、海・山の恵みだ。
私がこの町で最初に目に留めたのは、返礼品として届くブルーベリーだ。冷蔵で届く生のベリーは、摘みたての朝露をまだ纏っているような状態で家に着く。房総丘陵を抱える内陸部の農地で、夏の日差しをたっぷり受けて育ったものだろう。

朝食の食卓に出すと、一粒かじった時の酸味と甘さのバランスが、その日の目覚めを決める。ヨーグルトに混ぜるのもいい。冷凍ではなく生で届くから、新鮮なうちに食べきる緊張感がある。冷蔵庫の奥に忘れられるのではなく、毎朝手に取る果物になる。そういう距離感が、小さな町の返礼品には大事だと思う。
米と貝、漁港の町の食卓
富津の漁港は複数ある。富津漁港、金谷漁港、萩生漁港、竹岡漁港、佐貫漁港、大貫漁港。海苔やアサリ、バカガイが産地として知られている。ホンビノス貝は、東京湾の潮が運ぶ栄養を吸収した白はまぐりだ。味噌汁に入れると、塩辛さと深みが一杯で感じられる。

米も、この町の基本だ。ふさおとめやふさこがねといった千葉県産の品種は、房総の土と水で育つ。白米として炊いた時の粒立ちと、冷めても硬くならない食感が、毎日の食卓を支える。
富津は観光地としても知られている。マザー牧場、鋸山、富津岬。だが返礼品を通じて見えるのは、観光の背景にある、漁業と農業の営みだ。その営みが、家の食卓に着地する。それが寄付の実感になる。