只見川沿いの霧の中に、温泉が湧く
金山町に入ると、まず気づくのは水の音だ。只見川が深い谷を刻み、その両岸に集落が張りついている。冬は平均324センチの雪が降り、夏には川霧が立ち込める。この霧幻峡と呼ばれる景観は、町の自然そのものを映している。
山に囲まれ、川に寄り添う暮らし。その中で、この町は幾つもの温泉を抱えてきた。大塩炭酸泉は、2019年に国際会議で提供されたミネラルウォーターの源。中川温泉、玉梨温泉、湯倉温泉。名前を聞くだけで、どれほど奥深い場所にあるかが伝わる。
寄付すると、町内の温泉宿で使えるクーポンが手に入る。冬の雪見風呂、夏の霧に包まれた露天風呂。季節ごとに、この町の表情は変わる。

人口1875人の町が、温泉で結ぶ
金山町の人口は減り続けている。鉱山の閉鎖、電源開発工事の完了。かつての産業が去った後、この町が選んだのは、自然資源を活かすことだった。赤カボチャの生産、ファームステイ事業、そして温泉。
温泉宿に泊まることは、単なる観光ではない。只見線の駅に降り立ち、霧の中を歩き、湯に浸かる。その時間の中で、この町の営みが見える。宿の人たちの手、地元の食卓、山と川の距離感。
より高い寄付額のクーポンもある。どちらを選ぶにせよ、金山町の温泉は、訪れた者を静かに迎える。それが、この町の返礼だ。
