三陸の北端、海に向かう町
宮古は本州最東端の魹ヶ崎を擁する、三陸海岸の北の玄関だ。リアス式海岸の最北端に位置し、ここから南へ向かうと複雑に入り組んだ湾と岬が続く。町そのものは宮古湾に面し、江戸時代には盛岡藩の外港として栄えた。北上山地に隔てられた陸の孤島だからこそ、海が生活の中心になった。
私がこの町を見るとき、いつも思うのは「海と山に挟まれた、狭い平地に人が密集している」という地形だ。可住地面積は総面積の9%に過ぎず、その限られた土地に、漁業と観光が重ねられている。冬は豪雪地帯に指定され、気温は氷点下10℃を下回ることもある。そういう厳しい環境だからこそ、三陸沖の豊かな漁場が、この町の命綱になっている。
一夜干しに、塩漬けに——海の保存食が家に届く
宮古の返礼品を見ると、目立つのは「海の幸を塩漬けにしたもの」「干したもの」「丼の具に仕立てたもの」だ。これらは、冬が長く、新鮮な魚を毎日手に入れられない土地で、昔から作られてきた保存食だ。

スルメイカの一夜干しは、その最たるものだ。宮古沖で獲れたイカを、塩漬けにして一晩干す。翌朝、表面は乾いているが、中はしっとり。そのまま焙ってつまむのもいいし、軽く炙ってから細く裂いて、ご飯に乗せるのもいい。冷蔵庫に常備しておけば、朝食の一品になる。この干し方は、宮古の漁師たちが何百年も前から繰り返してきた手仕事だ。

同じく、塩だれ厚切り牛タンも、宮古の「塩」を使った味付けだ。三陸の海塩で下味をつけた牛タンは、焼くと塩辛さが引き立つ。これは肉の返礼品だが、宮古の塩という地元の資源が、肉の味を決めている。焼肉のたれではなく、塩だけで食べるのが、この町の食べ方だ。

丼の具、ラーメン——日常の食卓への着地
海鮮丼の具5種は、イクラ・メカブ・ホタテ・ホッキ貝・甘エビを100gずつ小分けにしたもの。冷凍で届き、解凍してご飯に乗せるだけで、三陸の海が食卓に上がる。一人分の丼から、家族分まで、量を選べるのが実用的だ。毎週末、子どもたちが「今週は何の丼?」と聞く、そういう食卓の風景が浮かぶ。
宮古ラーメンも、この町の日常食だ。宮古とんこつ、海鮮ラーメン、ピリカラなど、複数の味が選べる。冬の夜、温かいラーメンを啜る。それは、この町の人たちが毎日やっていることだ。返礼品として届いたラーメンを食べるとき、あなたの台所は一瞬、宮古の冬になる。
選び方
宮古の返礼品は「保存食」と「日常食」の二つの層で成り立っている。一夜干しや塩漬けは、冷蔵庫に常備して、朝食や酒の肴に。丼の具やラーメンは、週末や平日の夜に、家族で食べる。どちらも、この町の海と冬の暮らしから生まれた食べ物だ。寄付するなら、一品だけでなく、両方の層を選ぶことをお勧めする。そうすることで、宮古の四季が、あなたの食卓に根付く。