十勝の台地、三地区の営みが重なる町
幕別町は十勝中央部の丘陵地に位置する。西は帯広市、北は十勝川を挟んで音更町、東は豊頃町と、農業地帯に囲まれた町だ。町内には幕別、札内、忠類の三つの市街地があり、それぞれが異なる農業の顔を持つ。札内地区は帯広のベッドタウンとして発展し、幕別地区では中小規模の酪農と畑作が複合経営される。そして忠類地区は、大規模酪農専業経営が主体だ。
降雪量が多く、冬は-30℃近くまで気温が下がる厳しい気候。だからこそ、この土地で育つ野菜と牛肉には、季節の手当てと土づくりの工夫が詰まっている。家畜ふん尿や麦わら、豆がらといった圃場副産物を有機質肥料として還元する営みが、町全体で推進されている。つまり、酪農と耕種が循環する仕組みの中で、返礼品は生まれている。
四季の野菜が、年四回の定期便で届く理由
私が推したいのは、十勝幕別の定期便 旬野菜だ。長いも、アスパラガス、とうもろこし、じゃがいも——北海道の野菜として名高いものばかりだが、幕別町でこれらが作られる背景を知ると、返礼品の意味が変わる。

幕別町の耕種は、気象条件と土地条件を活かした作物選びをしている。特にナガイモ(長いも)の作付面積と生産量は全国トップクラス。忠類地区ではユリ根の生産も増えている。つまり、この町の野菜は「どこでも作れるもの」ではなく、十勝の台地だからこそ育つ品種と栽培技術の結晶だ。
定期便で四季折々に届くのは、単なる「季節の詰め合わせ」ではない。春のアスパラガス、夏のとうもろこし、秋のじゃがいも、冬の長いも——それぞれが、その季節に幕別の畑で最も手をかけられた時期に収穫される。家に届いた時点で、その野菜は旬の真っ最中だ。長いもなら、すりおろして蕎麦の薬味に、あるいは短冊切りにして酢の物に。アスパラガスは、塩ゆでしてバターを落とすだけで、春の食卓が一変する。
十勝牛と、循環する土地の恵み
野菜と並んで、幕別町を代表するのが牛肉だ。十勝牛 赤身スライスすきしゃぶセットは、この町の酪農と畑作の循環を、食卓で実感させてくれる。赤身の牛肉は、牧草と穀物飼料で育った牛の肉質を映す。幕別町の酪農経営が、地域の飼料生産と結びついている証だ。

すきしゃぶ用に薄くスライスされた肉は、冬の鍋に欠かせない。昆布だしの鍋に肉をくぐらせ、ポン酢で食べる。あるいは、夏の盛りに冷たい出汁で冷しゃぶにする。赤身の牛肉は、どの季節の調理法にも応じる懐の深さがある。
十勝牛 すき焼き用 切り落とし1kgは、家族の食卓に少し余裕をもたらす量だ。すき焼きの鍋に、野菜と一緒に落とす。長ねぎ、春菊、豆腐、そして幕別の野菜便で届いたじゃがいもを加えれば、その鍋は十勝の土地そのものになる。
地域の営みを、家の台所で受け取る
幕別町の返礼品は、観光地の土産ではなく、その町で実際に営まれている農業と畜産の現在形だ。定期便の野菜は、毎回異なる品種が届く。それは、町の農家たちが季節ごとに何を育てているかを、そのまま反映している。牛肉も、町内で育った牛を、町内の施設で処理・加工したものだ。
寄付をして返礼品を受け取ることは、幕別町の農業を支える仕組みに参加することでもある。家の食卓に届いた野菜と牛肉を調理する時間が、この町の冬の厳しさ、春の芽吹き、夏の日差し、秋の収穫——四季すべてとつながっている。それが、定期便の本当の価値だと私は考える。
