鵡川の米が、なぜここまで白いのか
北海道の胆振東部、むかわ町の鵡川地区は太平洋に面した低地だ。冬は-6度まで下がるが、海からの湿った空気が山々に遮られ、昼夜の気温差が生まれる。この気候が、米の粒を引き締める。
ホクレンゆめぴりか無洗米は、そうした風土の中で育った北海道産の品種だ。無洗米というのは、精米後に糠をさらに落とした状態で届く。つまり、研ぐ手間がない。水を注いでそのまま炊ける。

冬の朝、炊飯器のスイッチを入れると、30分で白い湯気が立ち上る。粒が立っている。一粒一粒が独立して、ご飯として存在している。北海道の寒冷地で育つ米は、粘りより芯を持つ。それが、おかずを選ばない理由だ。
食卓に着地する、12キロの現実
2キロ×6袋という分割は、家の冷蔵庫の野菜室に収まる。開封後の米は、湿度と温度に敏感だ。小分けされていることで、最後の一袋まで風味が落ちない。秋に寄付して、冬から春先まで、毎日の朝食と晩酌の肴の白飯として、この米は食卓に着地する。

むかわ町は、ししゃもの産地として知られている。鵡川下流域で漁獲されるシシャモは、商標権も登録されている。その塩辛い身を、白い米で受け止める。あるいは、穂別地区で育つメロンの甘さを、米の芯の強さが引き立てる。
米は、その土地の気候と水と手間の集約だ。むかわ町に寄付することで、家の食卓に届く米は、単なる炭水化物ではなく、太平洋と山に挟まれた町の秋の仕事そのものである。
