丘陵地の乳牛が、チーズになるまで
安平町は、勇払平野から夕張山地へ続く丘陵地だ。南は海洋性の温暖さ、北は内陸の厳しさ。その境界線の上で、この町は乳牛を育ててきた。特に遠浅地区での乳牛生産は全国に知られ、ここで改良された牛は日本中の牧場へ送り出されている。
そうした乳牛の営みが、やがてチーズになる。夢民舎のチーズ詰め合わせは、その流れの中にある。カマンベール、クリームチーズ、モッツァレラ——複数の種類が一度に届くことの意味を、私は台所で感じてほしい。

カマンベールは、白カビが表面を覆う柔らかなチーズだ。冷蔵庫から出して常温に戻す時間、その香りが部屋に広がる。クラッカーに乗せるのもいいし、焼いてとろりとさせるのもいい。クリームチーズは、朝食のパンに塗る。モッツァレラは、トマトと塩、オリーブオイルだけで一皿になる。同じ乳から生まれた三つの表情が、一つの箱に入っている。それは、この町の乳牛たちが、複数の可能性を秘めていることの証だ。
開拓の記憶と、今の食卓
安平町は、明治の開拓期から農業の町だった。1900年に安平戸長役場が設置され、その後、村から町へと成長していった。2006年に早来町と追分町が合併して現在の安平町になるまで、百年以上の営みが積み重なっている。
チーズ発祥の地の記念碑も町内にある。それは、この町が単に乳牛を育てるだけでなく、その乳を加工し、新しい食べ物へ変えていく力を持っていたことを示している。
スモークおつまみセットも、同じ食文化の延長線上にある。ミックスナッツ、かきのたね、ピスタチオ——燻製という手法で、素材を別の表情に変える。晩酌の時間に、チーズと一緒に食卓に並べば、北海道の丘陵地で育った乳と、その加工の手が、一つの夜を作る。

寄付して届く返礼品は、単なる食べ物ではなく、この町が百年以上かけて積み上げた、乳を扱う技術と選択肢の記録だ。