二つの海が育てる土地の米
八雲町は、渡島半島を東西に横断する珍しい町だ。東は内浦湾(噴火湾)の太平洋側、西は日本海。同じ町なのに気候が全く異なる。太平洋側は冷涼で、日本海側は対馬暖流の影響を受けて比較的温暖。降水のパターンも逆だ。この二つの海に挟まれた地形が、八雲の農業を形作ってきた。
明治の開拓期から、この町は農業を軸に発展してきた。尾張徳川家の家臣たちが移住し、馬鈴薯や軟白ねぎの栽培を広げた。そして何より、八雲は「北海道酪農発祥の地」と言われている。西洋農法を早くから取り入れ、今も乳牛一万頭、牛乳生産四万五千トンと道南随一の規模を誇る。つまり、この町の土は、家畜を育て、野菜を育て、そして米も育ててきた、多様な営みの積み重ねの上にある。
ゆめぴりかの精白米は、そうした土地で農家が直送する米だ。容量を五キロから十キロまで選べるのは、家族の食べ方に合わせるためだろう。秋の収穫から冬を越して、春先の食卓に届く。新米の香りと粘りが、炊きたての湯気とともに立ち上る。白いご飯を前にして、おかずは何にしようか。そういう日常の迷いが生まれるような米。

台所に着地する、季節の米
米は、届いた日から毎日の食卓に入る。朝、昼、晩。家族の人数分だけ炊く。五キロなら、四人家族で二週間ほど。十キロなら、一ヶ月近く。その間に季節は移ろう。春から初夏へ。気温が上がれば、冷たいご飯も食べるようになる。おにぎり、冷や飯、ちらし寿司。同じ米でも、季節によって食べ方が変わる。
八雲の米は、そうした変化に付き合う。農家直送というのは、中間流通を経ないということ。つまり、作り手の顔が見える距離感で、家の食卓に届く。北海道の二つの海に挟まれた土地で、どう育てられたのか。その背景を知ることで、白いご飯の味わいも変わる。
寄付をして返礼品として受け取るのは、単なる商取引ではなく、その町の営みを支える一つの形だ。八雲町の農業、その歴史、その土地を選ぶことになる。