火山と湖が作る、この町の顔
七飯町は、北海道駒ヶ岳と大沼・小沼という二つの自然が町を二分する場所だ。北部は活火山の麓、南部は函館圏のベッドタウン。その地形の違いが、この町の産業と食卓を決めている。
駒ヶ岳は何度も噴火した。1640年、1856年、1929年。その火山灰が降り積もった土壌は、水田にも畑にも適した。大沼の湖水は、かんがい用水として農地を潤す。北海道内で最も温暖な気候(平均気温7.7℃)と相まって、この町は米も野菜も果樹も育つ。明治初期には洋種農作物の栽培地として知られ、男爵いもの発祥地でもある。
大沼の湖畔には、いまビール工場がある。大沼ビールは、この町の水と気候を飲む返礼品だ。ケルシュ、アルト、IPA、スタウト——四つの個性が一箱に入っている。ケルシュはドイツ仕込みの爽やかさ、アルトは琥珀色の深さ、IPAはホップの香りの強さ、スタウトはコーヒーを思わせる黒さ。晩酌の四日間、あるいは友人を招いた夜に、一本ずつ違う表情を味わう。大沼の水が、こうした多様な味わいを支えている。

米は、この町の基盤
水田は七飯町の原風景だ。北部の大沼周辺、南部の平野部——どちらも米作が基本産業である。ふっくりんことゆめぴりかは、北海道を代表する二つの品種。ふっくりんこは粘りが強く、ゆめぴりかはバランスの良い甘さが特徴だ。

毎日の白飯として、あるいは炊き込みご飯の下地として。米は台所の基本であり、この町の農業の基本でもある。五キロという量は、一人暮らしなら一ヶ月強、家族なら三週間程度。季節が進むにつれて、新米から秋米へと味わいが変わる。その変化を、毎日の食卓で感じることが、ふるさと納税の本来の意味だと私は考える。
地酒と、季節の手当て
郷宝の純米は、この町で醸される日本酒だ。扁平磨き六割五分という仕上げは、米の芯を活かしながら雑味を落とす技法。冷やして飲めば、米の甘さが引き立つ。燗をつければ、深みが増す。
大沼の湖畔で、あるいは赤松街道を歩きながら、この町の水と米と火山灰の歴史を思う。返礼品は、単なる商品ではなく、その土地の営みを家に運ぶ手段だ。ビール、米、酒——三つの品は、すべてこの町の水と土が育てたものである。
七飯町は、函館のすぐ隣にありながら、独自の産業と風景を守っている。大沼国定公園の指定、赤松街道の選定、ラムサール条約への登録——こうした認定は、この町が自然と産業のバランスを取ってきた証だ。返礼品を通じて、その営みに触れてほしい。
