津軽海峡を臨む、農漁の二重奏
知内町は北海道南西部、渡島半島の南西に位置する。東は津軽海峡に面し、西と南は山に囲まれた地形だ。知内川が町の中心を東西に貫き、その流域に市街が広がる。私はこの町を『海と山に挟まれた、細長い台所』と見ている。
町の産業は稲作と漁業が二本柱。だが知内の顔は、何といってもニラだ。1971年の試験栽培から半世紀、今では北海道内一の生産量を誇り、農業生産額の半分以上を占める。初夏から秋にかけて、町の畑一面に青々としたニラが育つ光景は、この町の経済を象徴している。
一方、津軽海峡に面した沿岸では養殖漁業が盛んだ。牡蠣、ホタテ、コンブ、ウニ—四季を通じて、海の恵みが陸に上がる。特に牡蠣は知内の名産として知られ、冬の味覚として全国に流通している。
米を選ぶ—その土地の水と手
知内の米は、この地形が生んだものだ。知内川の水系に育つ水田は、山からの清水に恵まれている。推し一品は ふっくりんこ5kg にした。

ふっくりんこは、北海道を代表する品種の一つ。粒が大きく、炊き上がりがふっくらとしている。この米は、JA新はこだてを通じて出荷される。知内の農家が丹精込めて育てた米が、家の食卓に届く—それは単なる商品ではなく、その土地の水と手の痕跡を食べることだ。

冬場、白いご飯にニラ味噌を乗せて食べる。あるいは、春先に新玉ねぎとニラを炒めて、温かいご飯に混ぜる。知内の米とニラは、この町の台所では切り離せない組み合わせなのだ。
冬の海の味わい
冬が深まると、知内の食卓は海に傾く。冷凍牡蠣 は、2月の『しりうち味な合戦冬の陣 カキニラまつり』の季節に、最も輝く返礼品だ。

牡蠣は、届いたら冷凍のまま加熱調理する。フライパンでバターソテーにするもよし、鍋に入れるもよし。身がぷりぷりと縮む瞬間、津軽海峡の冷たい海水で育った牡蠣の味わいが立ち上る。知内のニラを細かく刻んで、牡蠣の上に散らす—それは冬の知内の食べ方そのものだ。
ましろ純米吟醸 も、この町の返礼品として欠かせない。地元の水で仕込まれた日本酒は、冷やして牡蠣と合わせるのが知内流。米と海の恵みが、一杯の酒を通じて繋がる瞬間だ。
知内は、決して大きな町ではない。だが、その小ささの中に、北海道の農漁業の本質が凝縮されている。ニラ、米、牡蠣—三つの食材が織りなす季節の営みを、返礼品を通じて家の食卓に迎え入れることは、この町の風土そのものを受け取ることなのだ。
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