冬の日本海が、食卓に届く
留萌の冬は厳しい。気温は氷点下20℃を下回り、降雪は年546センチに達する。そんな季節に、この町の台所は一つの儀式に向かう。正月の食卓を整える準備だ。
留萌港に揚がるニシンの卵——数の子。1950年代、三井物産が海外からカズノコを輸入し始めたとき、この町の水産加工業者たちはそれを黄色く加工し、贈答用として売り出した。以来、留萌はカズノコの国内最大の加工地となった。今も港の周辺には、この仕事に携わる職人たちがいる。
味付数の子が届くと、まず冷蔵庫の奥に置く。小分けされた折子は、正月の朝、白いご飯の上に乗せるためのもの。あるいは、年末の夜、家族が集まるときに、酒の肴として一粒ずつ摘まむ。塩辛さと、プチプチとした食感。それは、日本海の塩辛い風そのものだ。

米と、塩辛い海の恵みで冬を越す
留萌の食卓は、米と海の産物で成り立っている。留萌管内産のななつぼしは、この地の冬を支える主食だ。選べる量と精製方法で、家族の食べ方に合わせられる。白米で炊けば、数の子の塩辛さが引き立つ。無洗米なら、朝の準備が少し楽になる。

漁師採りたてのボタンエビも、この町の冬の味わいを代表する。殻を剥いて、塩辛く味わうか、あるいは軽く火を通して、甘みを引き出すか。届いた日から数日の間に、家の台所で何度も手に取ることになる品だ。

正月の準備は、秋から始まる
松前漬けも、この町の冬の定番だ。昆布とニシンの卵を塩漬けにしたもの。瓶を開けると、磯の香りが立ち上る。ご飯の上に乗せるのもよし、酒の肴にするのもよし。一度開けると、毎日の食卓に登場する。
留萌で数の子を選ぶことは、単に食材を選ぶのではなく、この町の冬の営みに参加することだ。港で揚がった魚卵を、職人たちが丁寧に加工し、塩漬けにし、黄色く仕上げる。その手仕事が、あなたの家の冬の食卓に着地する。気温が下がり、雪が積もる季節に、留萌の塩辛い恵みを、ゆっくり味わう。それが、この町への寄付の最も素朴な返礼だ。
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